よぞら さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
GJ部は心の中にある。
「GJ部、それはなんだったのだろうか」
見終わった者に残るのは、このひとつの問いである。
GJ部を見ることによって、われわれは知らず知らずのうちにGJ部の世界へ引き込まれ、忘れ得ぬ問いを突き付けられることになる。GJ部の部員達と過ごした時間の中で、われわれが触れ、感じ、思い、そして学んだものはなんだったのだろうか。GJ部とはわれわれにとって何であったのだろうか、と。
GJ部がわれわれに齎したものはあまりにも大きい。しかし端的に言うならば、それは、われわれが普段生活の中で見落としていたものではないのだろうか。育つうち、いつしか手放していった記憶の欠片そのものなのではないだろうか。GJ部は身近で、他と寸分違わない身なりをしていながら、その存在は甚大に深くわれわれの内に根を張っている。
われわれはGJ部を見ているつもりが、いつの間にかGJ部の一員として過ごしていることに気がつくだろう。そして、ひとつの箱としての部室の中で繰り広げられた、あのめくるめく日常はわれわれに深く刻まれることになる。GJ部を経験して見ることで世界は大きくその色を変える。それまでとは違った世界がそこにはひらけていることだろう。いまここにおいてすでに、天使真央が、皇紫音が、天使恵が、綺羅々・バーンシュタインが、われわれの瞳に宿っているのだ。そう、なにせすでにわれわれは二軍のファンタジスタなのだから。どんなにつらいことがあっても、われわれは走りださなければならない。しかし大丈夫だ。GJ部のみんなは僕らと共にある。彼女たちはいつだって希望のうたをうたっていた。魔法をかけて、無敵になって、二軍のファンタジスタはいま走りだす。さあ、空を向きたまえ!何もおそれることはない!
GJ部を体験した者になら、問いと共存し、渦を為しているこたえが既に見えているはずである。僕らはそれを胸に抱いて、明日も生きていくことだろう。それを思い出せなくなったとしても、きっとGJ部はやさしくあたたかく、前意識の領野で僕らを見守っていることだろう。われわれはそれをしっかりと受け入れなければならない。二軍のファンタジスタの称号はそのためにある。
GJ部、それは僕らの帰る場所である。