おかき さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャッチャーは女房役
新設された野球部の高校球児が、甲子園優勝を目指す野球ドラマです。
従来のスポーツ作品は、盛り上がる箇所だけ抜き出してドラマへと仕上げていますが、
打者と捕手(戦略を担う監督もいますが)の頭脳戦や心理戦の駆け引きを最重視しています。
一球毎の細かい心理描写や戦略は、野球経験者でもビックリするほどに緻密。
対戦相手もそれなりに対応してきますし、
この手にありがちな剛速球や長打力には頼らず、チームプレイとしての面白さも表現されています。
その為、必然的に長くなってしまいますが、
決して間延びすることなく、最後まで飽きることなく楽しめました。
流れが速くないので、野球観戦の様にゆっくりと観れると思います。
野球に詳しい人にルールを解説して貰いながら視聴するのも良いかもしれません。
スポ根的な練習メニューはサラッと流し、科学的根拠に基づいた食事法や、イメトレ等、
潜在能力の育成に比重を置いているところも特徴的でした。
徹底的にリアル路線に拘っていて、超人的な選手は登場しません。
だけど、実は三橋君ってトンでもない野球センスを持っているんじゃないかなと思いました。
ずば抜けた制球力、多彩な自称変化球、癖のある直球。
球速が遅いのが弱点ですが、制球力だけを抜き出しても非常に優れた投手なんです。
9分割されたストライクゾーンに正確に投げられる。これって実は超人級。
そんな三橋君はマスコットみたいでカワイイですね。
でも、リード描写の多い阿部君の方が主人公してる気もしました。
捕手がなぜ「女房役」と呼ばれているのか。その所以が分かるかと思います。
これは高望みなんですが、踏み込みシーンが迫力不足。
強豪チームがそれなりに映っていたので、番狂わせの気分を味わえなかった。
ここぞというシーンでは露骨なくらい盛り上げて欲しかった。
粗探しをしてもこれくらいしか思い当たらず、久々に掘り出し物を掘り当てた気分です。
リアルの甲子園も観戦したくなっちゃいました。
2011.8/9