ちゃんもり さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
夢追い人の夢のあと。
ラノベ原作のアニメ化作品です。
水明芸術大学付属高等学校の一般学生寮とは
隔離されたちょっと特殊な(?)学生寮、
「さくら荘」に住む男女6名の寮生たちの、
それぞれの夢を追う姿と恋模様を描いた学園ラブコメ。
なのですが、個人的な印象としてはラブコメ成分よりは
「夢を追う若者たち」の成長記録、といった面が
強い作品かな、と思います。
才能にあふれ、ただやりたいことに打ち込む「だけで」
世界から評価されるほどの天才はたしかに居ます。
片や、努力して努力して努力して、それでも報われず
夢破れ散っていく人間はもっと大勢いるのです。
この作品では、
凡才な主人公「空太」をめぐるヒロインレースに於いて
「ましろ」という天才を空太にとっての「憧れ、嫉妬」の
象徴として、また「ななみ」を同じ目線を持つ仲間としての
「親近感」の象徴として対比が取られていますね。
また一方、これまた非凡な才能を持つ「美咲」に
あけっぴろげに好意を寄せられつつも、彼女との才覚の
差に葛藤し、うまく彼女を受け入れることができない「仁」。
この2つの(見方によっては3つの)人間関係がストーリーの
軸として推移していきます。
最後までこの軸がブレず、また着地点もしっかりしていたと
思います。卒業式のシーンでは少しグッとくるものがありましたね。
まぁこの辺はどこまでキャラに感情移入しているかで
感動の度合いが変わってくるかもしれません。
私は正直、涙を流すまでには至りませんでした。
というのも、この作品に出てくるキャラはどいつもこいつも
アニメキャラとして「優等生すぎる」気がするんですよね。
ぶっとびムードメーカー「美咲」
クールで頼れるセンパイ「仁」
ど天然セメントヒロイン「ましろ」
ど根性委員長キャラの「ななみ」
こうして書いてみると個性的なキャラなんですけども、
あまりにも「キャラ通りに」動くのでちょっと印象薄かったかな。
たまには視聴者が「いやいやそうじゃねーだろww」とツッコミを
入れるスキマがあるくらいの方が愛着湧いた気がします。
ちょっと苦言も入りましたが、作画も良いし観始めたら最後まで
ノーストレスで観れます。ラブコメ好きな方には十分及第点取れる
作品だと思います。