くらうち さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ハンパない作り込み
レビュー時点で最高のアニメ。
これを超える作品は中々出てこないんじゃないでしょうか。
タイムトラベル、タイムリープが登場する作品は、数多くあります。
その中でも、「想定科学」と称してですが、理論付けをしたアニメは初めてではないでしょうか。
タイムトラベル理論だけでこれだけ諸説入り乱れているなんて初めて知りました。
「バタフライ効果」「アトラクタフィールドの収束」など、面白いコンセプトが詰まっています。
そして、ストーリーの練り込みが半端ないです。
どんでん返しが何回もあるのに、全く破綻しません。
本作には3つの世界線が登場します。
α世界線:元いた世界線。紅莉栖は死亡し、SERNによって支配されたディストピアが待っている
β世界線:アニメのメインの世界線。紅莉栖は生存し、第三次世界大戦が待っている
Steins;Gate世界線:紅莉栖は生存するが、ラボメンとの記憶はなくなる。未来が確定していない世界線。
異なる世界線の記憶を保持し続けられる「リーディング・シュタイナー」を持つ岡部は、β世界線の中でもがき続けます。これがもう泣ける。
最終的には未来の自分からの助言でブレイクスルーでき、SG世界線へと到達できます。
その未来の自分の「執念」は、もがき続けた結果得られたもの。ムダじゃなかった。
最後に紅莉栖と再会できたところで号泣ですね。
キャラクターも最高です。
岡部は中二病全開ですが、本当は仲間思いで情に熱く、めっちゃいいやつなんですよね。
ここぞというときは紅莉栖にビシッと告白できるし。
そんな岡部に惹かれてラボメンも集まったのでしょう。
ねらーであることを隠そうとする紅莉栖も可愛いですねw
そして、声優の名演。
宮野守は、岡部の喜怒哀楽、厨二病のキモさを存分に表現してくれましたw
本来イケメンボイスの関さんも、あんな幅の広い演技ができるのかと驚きましたw
これだけこのアニメの素晴らしさを語ってきましたが、実は、すごいのは原作です。アニメとして何か新しいことをしたわけではない。
ストーリーは原作のトゥルーエンドまんまですし、キャストも変わっていません。
しかし、その原作のよさを全くスポイルすることなく24話のアニメにまとめるのは大変だったでしょう。
プレイすれば何十時間もかかる原作を、その魅力を損なうことなくアニメ化しただけでも十分な価値があると思います。
Steins;Gate世界線に到達後の世界を描いた劇場版もオススメです。