雷撃隊 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
虚実入り乱れる空中戦、もう一つの2000年代
この作品、あにこれに限らず航空機について指摘する方が以外に少ないようなのでちょっと航空映画的な見所について分析してみたいとおもいます。僕にとってマクロスは航空機ものなところが一番好きなので。マクロスが地球に落下してきたのが1999年。初代マクロスの物語が2010年。どちらも追い越してしまったよ。統合戦争なる人類同士の戦争が舞台だが劇中の年代は2000年代前半。つまり今我々が生きている現代だ。登場勢力が日米同盟とソ連だが初代マクロスが製作されたのが80年代なのでソ連が崩壊しなかった場合の近未来であり現代だ。
冒頭、マクロスらしからぬオープニングで始まる。なんとF-14トムキャットやEA-6BプラウラーやMig-29が登場する。実在の東西陣営の航空機だ。その中にSV-51なる可変戦闘機が乱入してくる。この機体はスホーイ社製の新型機という設定だ。後のVF-11サンダーボルトを連想させるシルエットだがやはりバルキリー系の戦闘機群は現代の飛行機の子孫だったわけだ。主役のVF-0はやはりF-14の直系だ。しかしVF-1バルキリーより現代の機体に近い外見だ。三次元ノズルやステルス的なパーツ構成はF-22ラプターやYF-23に近い。このあたりは前日談の後付けによる矛盾だろう。CGによる変形をじっくり見せる場面はゼロの見所だろう。VFシリーズと実機が入り乱れる空中戦の場面は現実からフィクションの世界へシフトしてゆくようで面白い。
あのロイ・フォっカー少佐の再登場も嬉しいかぎりだ。神谷明さんの演技、やはりいいね。ちなみにスカル小隊のモデルはベトナム攻撃隊のVF-84ジョリー・ロジャースという編隊だ。このあたりも航空史っぽくていい。マクロスFのシェリルの先祖も登場。シェリル・ノームというフルネーム、まさかと思っていたらやっぱりだった。ドクター・マオなる人物が「F]に名前だけ登場するがゼロのヒロインその人だ。F好きな人はチェックしてみてはどうだろうか。僕としては実機と架空の戦闘機が入り乱れる空中戦が沢山見られたので大満足だ。飛行機好きな人にも単独の空戦ものとして楽しめるだろう。
今のところ変形するプラモデルは未発売だがハセガワのファイター形態の固定モデルが超カッコイイぞ。特に最終回に登場したブースター装備型はボリュームあって作り応えがある。航空モデルファンにも納得できるだろう。いやー、ハセガワに感謝ですよ。良い時代になったもんだ。
以上、飛行機、プラモデル好きの感想でした。