kokot さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
京アニGJ
放送前キービジュアルを見た時から、この作品だけは作画が大きく崩れない限りは、どんなに酷い作品であっても最後まで見ようと心に決めました。
作中しつこい程に語られる、栗山未来への秋人の発言の数々は深く感銘を受け、未来の呆れ顔を見るたびに秋人GJを心の中で繰り返してしまいました。
話の流れも危惧されていたような劣悪なものではなく、学園ファンタジーものとしても、恋愛ものとしてもなかなか骨太に仕上がっており毎話楽しみに視聴していました。
まぁ、前置きはこのくらいで、
これから栗山未来について語りはじめますので、個人のフェチなど聞きたくないという方は、ネタバレタグつけましたので、閲覧は回避をお願いします。
{netabare}
赤メガネにふんわりショートボブ、制服にダボダボカーデ、80デニール以上の黒タイツ……もうこの時点で、我が軍はあと100年戦えるぞ!!と、わけのわからんことを叫びかけてしまいましたが、声優はかの種田梨沙!!
もうここまでお膳立てされると、却って人間失うことを恐れ始めるんですね、もしここまで揃えられて、楽しめなかったら……なんてことを考え1話目をおっかなびっくり視聴、陶酔するばかりの30分終了、2回目……3回目……
1週間ほど同じ話を1日1回は見ることになるとは、誰が想像したでしょう?
京アニは完璧な仕事をしてくれました。
まだ幼さが残るどこか哀愁と憂いを湛えた瞳をくるくると忙しなく動かしながら、秋人を異能士の並外れた体捌きで追いかける様とは裏腹、普段は天然でいつもお腹を空かせていて、口癖は「不愉快です」
京アニは完璧な仕事をしてくれました。ただ、完全にオーバーキルです。
もうそこからは毎週今か今かと放送を待ち。
コスプレ、生足、シャワーシーン、浴衣などの数々の試練に何度萌え殺されそうになったか知れず、俺の中で秋人ですらモブに成り下がる状態で最終話境界の彼方を倒し、物語の終わりを示唆する展開に、一瞬虚無感で空いた心の隙間に、ここにきての最高作画の泣き笑い顔で1度視聴打ち切りしました。
前後の流れで未来は境界の彼方と同化していたこともわかっていたし、物語の流れ上必然ではあるけど、足元から欠片になっていく姿を見せまいとする気丈な姿勢とあの泣き笑いには、クラナドAS16話白い闇並みの衝撃に耐えきれませんでした。
もう忘れたいと何度も思い、忘れられずにかといって消滅の先を見る勇気も湧かず、燻る日々がしばらく続きました。
だけどふとした時に茅原実里の歌う境界の彼方を聞き直し、幾千の孤独、悲しみ、痛みを乗り越え希望を目指す歌詞が未来の心情を描写しているものだと信じ、残った10分未満を見る決意をしました。
未来のいない世界。
1話のオーバーラップ。
不愉快です。
差し出されたメガネ。
はにかみ。
歓喜。
冷静になれば推して知るべしの最高の演出と最高のシナリオ(少し皮肉)、京アニがまたひとつ好きになりました。
素晴らしい作品への賞賛と胸焦がす時を未来に。
文末ですが、読み返すと胸糞の悪くなる個人日記のような文章にお付き合いいただきありがとうございました。
キモいのがやたら熱くなってる作品があるからものの試しに観てみようかと思われましたら、幸いです。
{/netabare}