29号 さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
私の期待値が高すぎた?
原作は「ドラクエシリーズ」や「かまいたちの夜」などを手掛けたゲーム会社チュンソフト制作のゲーム「428〜封鎖された渋谷で〜」のボーナスシナリオに収録されているアニメーションがベースになっているようです。
この話の2年後の上海がこの作品「CANAAN」の舞台になります。
全13話。
アニメーション制作は私が贔屓にさせていただいているP.A.WORKS で、主人公のカナンの声が私の大好きな沢城みゆきさんとくれば視聴しないわけにはいかないでしょう。
原案は「空の境界」の那須きのこ氏。
そして監督が安藤真裕氏で脚本が岡田麿里氏と「花咲くいろは」と同じってことでこれだけお膳立てされれば期待せずにはいられませんでした。
さて、まずこの作品の率直な感想としては期待値が高かったせいかあまり満足いく内容ではありませんでした。
{netabare}
主人公カナンは「共感覚」を用いた特殊能力の持ち主で、それを駆使しての戦闘シーン(ガンアクション)は一見の価値ありです。
欲を言えばもう少し戦闘シーンを増やして欲しかったです。
作画はさすがのP.A.WORKSさん良い仕事をされます。本当に細部までに拘って作られています。
ガンアクション(戦闘シーン)はスピーディーながら細かい動きの数々は圧巻の一言に尽きます。
声優さんも豪華で、私の大好きな沢城みゆきさんをはじめ、坂本真綾さん、南條愛乃さん、諸事情によりあまりセリフはありませんが能登さんなどなど。
この作品で私が特に気に入ったのが、田中理恵さん演じるリャン・チー様。
ドSの彼女の壊れっぷりはヤバいっすw田中理恵さんの演技がさらにそれを際立たせています。メインキャラ以上のインパクトと存在感。
M属性ありの私としては1度踏まれたいキャラの上位にランクインしますねw
とまぁ私の変態願望は置いていて、
ココから少々毒を吐かせていただきます。
ストーリーの核心にもせまりますので再度ネタバレ注意です。
{netabare}
まずストーリー通してこの作品の世界観の説明があまりなされません。
「ウーアウイルス」と呼ばれる致死率100%のバイオテロが渋谷で起き、そのテロに巻き込まれたヒロイン大沢マリア。彼女は父親が開発した坑ウイルス剤により一命を取り留めた過去を持つ。
まぁこれを見れば「はは〜ん」と思いますよね。この設定明らかに伏線でしょう。
実はこの設定ですが、物語の核心に絡んできませんw
第7話にてアルファルドが大沢マリアに対して
「本当に忘れたのか?」
と言ったセリフですが、これは完璧に伏線でしょうが、このセリフの真意も語られません。
以後このような事が多々あります。
当初は「カナン」「大沢マリア」「アルファルド」「ウーアウイルスによるテロ」これがメインストーリーで、
「渋谷のテロの生き残り大沢マリアと消えた村がどう繋がるのか」
と思ってましたが、後半は自分探しの旅になってます…。
結局のところアルファルドとカナンは何がしたかったんでしょうか?
そしてカナンと大沢マリアの関係にも疑問を感じます。
カナンと大沢マリアの出会いも伏線かと思いきや何も無し。
正直、大沢マリアいてもいなくてもストーリー的にはあんまり関係ないですw
どーせなら
「カナンの隣にいるのは大沢マリアしかいない」
と思わせるようなシーンなり設定なりが欲しかった所です。
{/netabare}
{/netabare}
ウダウダと長くなってしまいましたが、作画と戦闘シーンは素晴らしいのでストーリーさえ気にしなければ楽しめる作品ですよ。
リャン・チー様の狂気はぜひその目で、その耳で体感していただきたいですw