hide301 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
文化へのアプローチ
戦史が主に語られる戦国時代に文化という切口でアプローチした作品。
史実とは多少の差異があるので、フィクション扱いの作品ですが・・・面白い!
古田織部という人物に魅力があり、彼の人間らしさが物語を牽引している感じがあります。武士として武功を上げ、武士としても数寄者としても成功したいと考えている織部・・・しかし、己の器という現実と理想の狭間で苦悩する。一方、数寄者としての知識や感性は人並以上の才を持っており、千利休に引き立てられる。千利休の下で「無駄を省いたシンプルな美」という「わび」の心を開花させ、名物を追い求める俗物から抜け出していく姿も描かれている。
数寄者として松永久秀・荒木村重といった人物が登場するが、織部は収集家として生涯を終えた彼らとは根本的に違う生き方を突き進む。
物語の中盤以降から千利休に「誰の真似でもなく、古織様らしい…」という自らの創意工夫を褒められ、自ら良い物を創り上げる姿勢をいっそう強くさせていく。こうした中で利休の一番弟子に成長し、後の茶道筆頭へ駆け上っていく。
(おまけ)
諸大名が利休を師として崇め奉っているなか、織部は師を超えようと努力しています。細川や蒲生などの弟子と比べると姿勢の違いに気づくでしょう。弟子として師を超えようとする姿勢が個人的には好きでした。