ひげ さんの感想・評価

4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

おお！まるで00年代の精神が形になったようだ・・かどうかは知らん

原作のデキがいいのでそこそこおもしろいのは当たり前。
それを『ほぼ原作どおり』であっさりと超えてしまった傑作。
作品自体は単純で、いかにもライトノベルって感じだけど・・・。

演出が凝りまくりであきが来ない。
スローでもみてもおもしろいほどの鬼の書き込み。
絵自体は今の氷菓とかにくらべれば汚いし統一感に欠けるんですけど、その分味があるのね。絵が暖かいの。
動かすって意味での作画ではすっげええｗってわらっちった。何度見ても飽きないんすよ。たとえそれが某氏によるオマージュの塊だとしても。2期と消失はここらへんがなぁ・・・。
声優さんのキャスティング、演技指導ももちろん良い。

ユーチューブへの流出を黙認しつづけた（と勝手に解釈しとく）新しい販売戦略も当たりましたし、終了直後に二コ動が解放されたのも風向きがすごくよかった。
作品の良し悪しは抜きで00年代のアニメ形態の雛形になったのはまちがいない。
いろんな人が言う『運』ってやつもあるとおもいますが、逆に人事を尽くさないと天命もこない。

個人的に話が通る程度に時系列シャッフルして後半が蛇足にならないようにした演出は超ストライクだったんです。
映画なんかでは良くある手法なんですけど。アニメの各話でやるってのは初めて見た。
メインはあくまで第一巻の『涼宮ハルヒの憂鬱』でそれに肉付けする形。
普通の学園モノと思わせといて・・・。
当時原作未読、視聴リアルタイムだったで、ここはもう評価というか印象がはっきりとかわるところだと思います。
並び替えバージョンはこの手の仕込みが苦手な人は話がわからなくなる。
ＤＶＤよりもＴＶ放送版の録画はちょっとした宝ですね。


しかも時系列が製品版で並べ直しになってもいかにも以下続刊、原作買ってねってならないよう原作者に最終回を書き下ろしてもらうこだわりっぷり。作品愛がある。


{netabare}
アニメ版1期の特徴だと思うんですが、原作とテーマが違う気がするんです。原作は基本的にキョンと長門さんたちがメイン、ハルヒは主に空気ヒロインが多い。
ですが時系列順でみるとハルヒが誰もが経験するごく一般的な高校生活に次第に満足していく形を描き出してます。
勝手な憶測をすれば『消失』でキョンがハルヒの『現在の日常』を守ってやらないかんという決意をする、まぁほかに大事なことがありますけど、それを印象づけるための種まきでもあったのかなと。


原作はカタギだった作者が現実がつまらないから空想の世界くらいは面白くてもいいじゃないか、と書いたといってます。
アニメ1期は逆でハルヒに焦点を当てる原作エピを選ぶことで、極普通の人生がとっても楽しいよってことに。
そっちにかわっています。そこも好きなんです。内にこもってなくて。だから突然コスプレ少女たちが秋葉に出回りだしたのかなｗ
とにかくエピソードチョイスが妙。
ついでに『真のツンデレとはこういうことだ』というのもテーマらしいです。原作者さんと相談したとかｗデレは１割すらいらないそうですよ・・。

{/netabare}

挿入歌はねｗｗ正直成人したような人間には聴くに耐えられないものなんだけど・・解説聞いたらなるほどと。ただの某映画のパロじゃおわらせねえぞって。
・高校生のうまいやつならマネできるくらいの難易度
・同じく好きそうで書きそうなコード。
・ちょっとどころじゃすませない厨二な歌詞。しかも素人くさく。ハルヒに合わせたっていってるけど。。歌詞を書いたの先輩じゃねｗ？
・ついでに声優さんが歌ってる動画からトレース、あれヒロインがかわいそうなほど不細工ｗに見えるんだけどかっこいいよね。

けいおんが生まれたのは必然なんですかね。

本作でスターダムにのし上がってしまった京アニさん。良い意味でも悪い意味でも、もうこんな作品はつくれないでしょうね。