くらうち さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
虚淵作品の中でも最高かも
まず設定が素晴らしいですね。
シビュラシステムのある世界は、非常に便利。
しかし、人の一生はあらかじめ決められてしまっています。極めて不自然ですね。
遺伝子解析も、進めばこんな世界を作り上げてしまうかもしれません。
槙島は、「人は自分の意志で行動したときに価値を持つ」と考え、シビュラの奴隷になった人間たちをゴミとしか扱わない。
対して、常守は自分の意志で行動する「可能性」がある限り、人には価値がある。その可能性を1人の人間が奪う権利なんてないんだと。
同じ考えを持った人間が2人いるとき、もう片方の存在価値はないという言葉を耳にしたことがありますが、人の存在価値はまさに自分で考え、行動することにあると思います。
自分で考えることを否定される世界に対して槙島が抱く憎悪には共感できますね。
ゆきを殺したことは絶対に許せませんがw
最終的には、シビュラが自己の存在を秘匿するのではなく、開示した上で共存することを検討させるというところまでこぎつけます。
シビュラを憎悪しつつも、そのもたらす恩恵も十分理解しているために葛藤している常守は、サンプルとして監視し続けると。
シビュラが消えたところで人類はまた殺しあうという歴史を繰り返すだけかもしれない。かといって、槙島のように人を殺すのが無意味なのも自明。
難しいですね。
まだまだ描く余地のある世界で、二期が非常に楽しみです。