退会済のユーザー さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
いなり、こんこん、墨染さんになーれ!とは一体何だったのか
伊奈里神社の主神のウカ様から神通力の一部を授かり、
狐の如く人に化ける能力を身に付けた、主人公の伏見いなりの
身の回りのドタバタを描いた作品。
全10話で終わりだったようです。
録画してたやつを丁度観終わりました。
今まであるようで無かったテーマを取り上げており、
絵も綺麗で、キャラも可愛らしく毎週楽しみに見させて頂きましたが、
このアニメ2話目から方向性を少し間違った気がします。
1話で変身能力を身につけ、さぁこれからどういう日常を送っていくか?
という所に興味が湧いた矢先、
2話でいきなり高天原という神の国にいく訳です。
話の繋がりとして必要だったとは思いますが、
日常と懸け離れ過ぎてて、本来のテーマであるはずの変身能力が
希薄になっちゃった印象。
やりたい事にブレが発生した所為か知らないけど、9話では
{netabare}
神通力が暴走を起こして大地震が起きる始末。
一瞬怒ると髪の毛が金髪になって逆立つバトル漫画を想像しちゃいました。
本来やりたかったのはこんな大規模な話じゃなかったはずだ、と信じたい。
{/netabare}
最終話の感動するはずのウカ様といなりのやり取りでもちょっと首を傾げてしまった。
{netabare}
いなりがウカ様に別れを告げる前のお礼を言うシーンで
「丹波橋君と仲良くなれたのも、ちゃんと言いたい事友達に言えるようになったんも
きっと、神通力の…ウカ様のお陰なんです」
と言うのですが、
「それは違うよ、いなり。神通力では人の心は動かせない、
それはきっといなり自身の力なんだよ」
いやいやいや、動かせるでしょ?!と思ってしまう反面、
まぁ、いなり自身の力だよね、と納得出来てしまうのもこの物語の浅さでもあるだろう。
少しぐらい神通力の恩恵があっても良かったんじゃないだろうか?
これじゃあウカ様が浮かばれない。
結局、ウカ様はいなりみたいな良い娘にマイナスにしかならない能力を授けて、
「友達でいたいから」という我儘を通したい一心で、全てを黙認してる。
友達だから心配をかけたくなかった、なんて言い訳が通用しないほど大変な事態に
なったら今度は天照様に洞窟に閉じ込められる始末。
位置づけとしては祟り神か何かなんでしょうか…?
最終話は悪かった点ばかりじゃなく、勿論良い点もあった。
「いなりにとって神通力は、迷惑だった?」
と聞かれ、
「ほんまは世界中に自慢したかったぐらい素敵な力でした!」
て答えたのにはグッときました。
この時、あぁ、そう言えば、最後まで誰にもばらしてなくって
これはウカ様といなりだけの秘密だったんだな、って言うのがヒシヒシ伝わって。
それで、最後ウカ様に神通力を返した後、
高天原から、伊奈里神社に場所が移るのも喪失感の演出として良かったと思う。
{/netabare}
結局、丹波橋君との恋愛を発展させるこじんまりした物語で良かったのに
風呂敷広げすぎちゃった感じ。
色々ツッコミどころはあったし、かなり雑な書き方になっちゃったけど
この作品に対して感じた事が割とあった分、決して悪い作品では無かったんだと
思います。
ウカ様が可愛かった!
「~なんだね?」「~かい?」「~だと思うよ」
とかってただ丁寧口調なだけなんだけど、それがどこか斬新でいい味出してた。
ウカ様、耳の後ろに髪の毛が生えてないんですよ。
もう少し耳の後ろに髪の毛があればなー、もっとよかったのになぁ。
無いだろうけど、二期があれば見たいです。