こたろう さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
南家の3期は監督が悪いんです!と断言
ラノベ原作。
ファンタジー+オタク業界を揶揄したパロディもの。
引き篭もりでオタク文化にどっぷり浸かっていた主人公が、その文化の伝道師として異世界で啓蒙活動をするお話。
萌えポイントたっぷりのファンタジー世界で、メタな発言と行動を取るキャラ達を笑うコメディ。
ちょっぴり真面目なストーリーもあります。
アニメ等に深く関わっていない人にはちょっと薦められない作品。
視聴しても別にドン引きされるというわけではありませんが、たぶんオタク文化の機微を理解していないと、何が面白いのやらサッパリ不明となるのは想像に難くありません。
全く無垢で、アニメやゲームやラノベを知らないファンタジーキャラ達が、妙にリアルな俗っぽい色に染まっていく残念さがこの作品の笑いのツボ。故に、そのオタクっぽい行動をみて「あー、あるある」と思えないと、笑いどころがつかめない。
爆笑を誘うようなリアクションの大きなギャグは少なく、視聴者側が細かいギミックや発言の出典が何かを察して、プスッと笑ったり突っ込んだりするのを期待したお笑いになっています。
他では言えないようなみなみけのネタなんて、スタッフの身を削ったギャグを楽しめるのは本作だけでしょうw
基本のストーリーは、主人公が異世界の住人達と関わり、文化の流布をしていく過程で親好を深め信頼を得ていくというもの。
国家の成り立ちや身分制度の是非などを背景にちょっぴり政治色を絡めながら、ファンタジー世界に娯楽を根付かせるための奮闘劇となっています。
設定や展開に突っ込みどころはありますが、わりと無難にまとまっており、このまま終了しても続編がつくられてもいいような結末。最近よくみられる、投げっぱで中途半端にしか終われない1クールアニメの中では随分良識的です。
不満をいうなら、ちょっと重いシリアス展開なんか入れずに、コメディ寄りで突き通して欲しかった。
同じストーリーで同じ結末を迎えるにしても、明るくノーテンキなまま進行させて全然問題がなかったように思えますが、終盤で急に雰囲気を変えてしまったのが少し残念でした。
直前まで結構テンションの高いおバカな事をやってたのに、最後のエピソードだけそうしちゃうもんだから、妙に浮いてしまってます。
キャラクターは、わりと地味。
設定からして定番なファンタジー設定のお決まりキャラばかりになるのは当然ですが、オタク文化的に既存の何かにハマってないと面白くないので、キャラ立ちとして平凡にならざるおえません。
主人公然り。引き籠もりで豊富な知識量を買われての抜擢ですが、それ以外の部分では何事にも寛容でお人良しというありきたりな人柄。
おかげで、ラブコメ的な要素では盛り上がりを見せますが、オタク的な濃さで物語を牽引していくには弱かった。原作の先の話ではいろいろエピソードもあるんでしょうが、このアニメでは事業が簡単にうまくいきすぎて順調に目的達成できちゃうのにも違和感があります。
嫌なヤツではないけど、普通すぎ?・・・みたいなw
ヒロイン2人も可愛いは可愛いけど、ほんとに型どうりで面白味には欠けました。
個人的には、業界ネタやパロネタがツボだったのでかなり楽しめた作品。
ですが、やっぱりこれは視聴者を限定してしまっている点で、誰にでもオススメできると言い難いでしょう。
ライトでわかりやすい素材に、オタク文化という強めのスパイスで味付けがされています。
そのスパイスの味わいに慣れてるかどうかで美味しさの判断が分れそうです。