dolcetto さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
今までに女優として演じてきたどんな役よりも、ごっつドラマチックな人生を送った伝説の大女優の話
主人公は芸能界を引退して、今は隠居生活をしている大女優。
そこに鍵を持ってきたファンのおっさん(社長)とカメラマンの2人がインタビューとしてその大女優の家に訪れる。そして、自分の人生について語り出し、回想はまるで映画の撮影でもしているかの様に映しだされる。
主人公は戦時中ある一人の怪しげな男と出会い、「一番大切なものを開ける鍵」を見せてもらうが、それが何の鍵なのか知らされる事なく、突然別れは訪れる。男はその鍵を落として・・・その鍵を拾った彼女は走り、彼を追いかける。
{netabare}
社長 「・・・うぅ、俺はこのシーンを劇場で53回泣いたんや!!!」
カメラマン「い、いつから映画の話なん!!!」{/netabare}
そうして、その人生は映画のシーンを織り交ぜながらスピーディかつテンポよく語られてゆく。社長のノリとカメラマンのツッコミがとても良い味出してて笑えます。
そして、追いかけて追いかけて追いかけた末の最後の一言はとても印象的でした。{netabare}結末は少し寂しい気もしますが、彼の落とした鍵が彼女に悔いのない生きがいのある幸せでドラマチックな人生を与えていたのだと感じました。終わることなく、この先の世界でもずっと・・・
時代劇からSF作品の役を演じてきた彼女は、{/netabare}まさに「千年女優」。EDは「ロタティオン」。
笑いと感動、監督らしさのバランス。私はこの「千年女優」が今敏監督の作品の中で一番好きです。