Lovin さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
見た感じ
■概要
原作:モンキーパンチ(週刊漫画アクション連載)
監督:大隈正秋/Aプロダクション演出グループ
キャラクタデザイン:大塚康生
音楽:山下毅雄
制作:東京ムービー
話数:全23話
OP1:「ルパン三世主題歌I」(「ルパン三世その1」)
by チャーリィ・コーセイ
OP2:「AFRO ”LUPIN ’68”」(「ルパン三世その4」)
by チャーリィ・コーセイ
OP3:「ルパン三世主題歌3」(「ルパン三世その3)
by よしろう・広石
ED:「ルパン三世主題歌II」(「ルパン三世その2」)
by チャーリィ・コーセイ
■主な登場人物
ルパン三世(CV:山田康雄)
神出鬼没の大泥棒
次元大介(CV:小林清志)
クールなガンマン
石川五右衛門(CV:大塚周夫)
居合い抜きの達人
銭形(幸一)警部(CV:納谷悟朗)
警視庁の敏腕警部
峰不二子(CV:二階堂有希子)
謎の女
■感想
原作未読でTV放送またはDVDを視聴。今更なので思い入れなどを語ってみる。
一般的には第二シリーズ(青シャツ白ネクタイ赤ジャケット)のほうが有名だが、ルパンシリーズの中で私の一番好きなのはこの第一シリーズ(黒シャツ黄ネクタイ青緑ジャケット)だ。何故第一シリーズが一番好きなのか、新しいことに挑戦した結果カオスな作品になってしまったところだ。
本作品は、卑猥な意味ではなく大人向けのアダルトな作品として制作されることになったが、事前に展開された広告などの影響からか桁違いの低視聴率が続き、東京ムービー社長や監督が呼び出され、方針転換を余儀なくされることになる。人事面でもゴタゴタがあったらしく、正にカオスな作品になってしまった。このとき記録した視聴率は歴代ワースト記録らしい。
また一般的に「ワルサーP38」と呼ばれるEDが 第二シリーズのOPやEDくらいに有名だが、マスターテープが失われるなどあり本来の曲名がハッキリしない。Wikipediaには「ルパン三世主題歌II」とも「ルパン三世その2」とも記載されている。この辺りも愛すべきカオスである。
挿入曲に至ってはヒステリックに「ルパン」や「ルパン・ザ・サード」を連呼するものなど、第二シリーズと比べてインパクトはあるものの、ノリの部分では今ひとつ及ばない。しかし頑なで硬派な楽曲に、キラリと光るチャーリィ・コーセイのボーカルが何とも言えない。「ルパン」と言っているだけなのに味がある。
作画に関しては第二シリーズであっても決して良いとはいえないが、第一シリーズは輪をかけてよくない。パイロットフィルムを見たモンキーパンチは納得したらしいが、OPと本編の顔が違い過ぎる。前半OPのルパンの顎が大き過ぎるし、五右衛門も微妙に違う。一番酷いのは不二子ちゃんで、全く顔が違う。前出のゴタゴタなどから他作品担当者が作業していたらしいので仕方がないとは思うが、これもカオスさを演出する要因となっている。
極めつけはやはり路線変更だろう。Wikipediaによると高畑勲や宮崎駿に託されたらしいが、物理的な問題や急激な転換は出来ないことなど、どこにもって行くべきなのか迷走している雰囲気が随所に現れている。序盤OPはルパンの語りがメインだが、手元のDVDでは第六話だけ少し真面目に語られていたりする。
兎に角Wikipediaを一読して欲しいと思うほど何から何までグダグダなのだが、私にとってはそれがとても魅力的である。酷いことを書きつつも、堪らなく好きなのである。そういった世界を楽しみたい方、ルパン三世というキャラが形成されていく過程を楽しみたい方にはお奨めしたい作品である。
■感想{netabare}
そういえば、今はもう閉めているらしいが、神戸にチャーリィ・コーセイのバーがあったとかなかったとか。
歌ってくれるかは判らないが、歌は無くても一度お会いしたかった。
{/netabare}