「おおかみこどもの雨と雪(アニメ映画)」

総合得点
85.0
感想・評価
1831
棚に入れた
9989
ランキング
258
★★★★☆ 3.9 (1831)
物語
4.0
作画
4.2
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

母は強し。子も強し。

あらすじ等は他の方のレビューで散々触れられていると思うので割愛させていただきます。


細田守監督の最新作ということで大々的に宣伝されていたので存在は認知していたのですが、テーマ的にピンと来るものがなかったので今までスルーしていました。

が、先日TVの方で放送されたものを暇つぶしに見たらとても満足の行く出来で感動できました。


『サマーウォーズ』よりもファミリー、特に親御さんの琴線に触れるものになっていて、且つ『時をかける少女』以上に胸を打つような感覚にさせられる、細田監督作品で一番面白い映画だったと思います。


「狼との子供を授かったシングルマザーの育児奮闘記」・・・と自分もこの程度にしか思ってませんでした。


それだけに留まらず、おおかみこどもを人里で育てることの厳しさや、彼らは人と狼どちらとして生きるべきなのかを突き詰めた徹底さが、
差別や自立や共生など色々なテーマに繋がって、実に奥が深い内容になっています。

また、母親である花だけでなく子供達(雨と雪)の成長も同時進行で描かれているので、子供は親の目の届かないところで成長していく・・・という見逃しがちな事実にも目を向けることが出来ます。


この映画の特徴として、落ち着いたシーンにおけるBGMが極力抑えられ環境音と台詞以外は排除されていることです。

余計なBGMは流さない。その分盛り上がるシーンでは一気に駆け抜けるような爽快感が味わえます。

楽曲を担当した高木正勝さんは音楽家としては若い方だと思いますが、こういう音楽づくりが出来るのって中々凄いことだと思いました。
(というか自分が知らなかっただけで世間では既に実力派として有名人なんですね)


キャストは、俳優さんが占めている割合が大きいですが皆さん上手いので違和感はないです。

特に花役の宮崎あおいさんや韮崎役の菅原文太さんは本当に上手いなと感心しました。

狼男、草平、その他クラスメイト辺りがイマイチかなと感じたのでその分マイナスです。



あと、個人的に凄くいいなぁと思ったシーンについて。
{netabare}
・田舎に越して初めて大雪が降った日、花と雨と雪が揃って飛び出して雪の上で転げまわって雄叫びを上げるシーン。

→BGMも相まって、凄い解放感に溢れるシーンでした。花の晴れやかな表情が印象に残ります。


・台風の日、学校に残った雪と転校生の草平がお互い自分の秘密を打ち明けるとき、雪が窓を開けてカーテンをはためかせカーテンの翻りに合わせて姿を変えるシーン。

→こういう演出、ベタかもしれないけど大好きです。
徐々に変身していくんではなく、視界を遮って急に姿が変わるっていうのがたまらなくドラマチック。
(セーラームーンでタキシード仮面の変身シーンにて、この演出が使われていたので印象に残っています。)


・花と別れた雨が山の頂上で大きく雄叫びを上げる。それを見た花が涙を流すシーン。

→花が雨の勇ましさや自立した喜びなどない交ぜな感情に感極まり涙を見せる。
もう僕は一人でやっていけるんだ、という思いを雨が体を張って表現した所が素晴らしいと思いました。
{/netabare}

投稿 : 2014/04/16
閲覧 : 290

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