yuki24 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
タイトルなし
300人が乗った船と200人が乗った船の問に対する答えは決まっていて
少数を切り捨てて多数を取る
ことが正しいと誰もが思う。この問の本質は自分がそれを選択する立場にあるときどうするか?というものだ。条件をもう少し増やしていくと答えは変わってくるかもしれない。
200人の中に自分の家族が含まれていたら?300人と自分の家族のどちらかを選ばないといけないとしたら?
こうした問に対する迷いは
自分はどうしたいのか
自分はどうするべきか
という二つの意識の間の葛藤である
「自分がどうしたいのかを無視しどうすべきかだけを考えると人の道を踏み外す。それでは機械と同じだ」
この台詞からきりつぐは自分がどうしたいのかを無視して
少数を切り捨てて多数を取る
というどうすべきかのみを優先してきたかに思える
「どういう大人になりたいの?」
という問いに対し最後のシーンで
「正義の味方になりたかったんだ」
と答えています。ということはどうしたいかを無視していたのではないのかもしれません。
最終的に切り捨てた少数の中に生き残った子供がいたことが救いになったのだと思います。
結果的に聖杯が正義の味方を与えてくれた構図と見れば皮肉とも救いとも取れますが…