OZ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
正統派学園ラブストーリー
絵柄が好みではなかったので
なんとなく避けていたけれど
観てみたら思いのほか楽しめた
学園恋愛系作品
■正統派学園ラブストーリー■
一途な恋を全25話で描く王道の展開は
最後まで大きな波乱も無く安心して楽しめる。
ドロドロな展開が好きな人には
物足りないかもしれないくらい爽やかだ。
登場人物に良い人が多く
観ていて優しい気分になれる。
特に第6話「友達」で
トイレ内のいざこざから
仲良くなっていく場面は
今作品を代表するハイライトだろう。
柔らかい歌声と歌詞が
雰囲気にぴったりの
OP「きみにとどけ」は
何とも心地良い良曲。
唯一気になるのはテンポ。
風早と爽子の仲がなかなか進展しないので
若干じれったく映り
中盤は中弛みするものの
心情を丁寧に汲み取れるので
一長一短でもあるかな。
最後まで付き合わなかったのは意外だけれど
清清しい程に正統派だね。
■サイドストーリーが面白い■
メインの風早と爽子
今後どうなっていくのか気になる所だが
魅入ってしまったのは
18話~21話で描かれた
真田龍と吉田千鶴2人の恋愛模様。
千鶴を好きな龍と
龍の兄 徹を想っている千鶴。
徹との再会に心躍る千鶴だが
婚約者を連れての光景に
現状を頭では理解しても受けきれない。
もどかしい気持ちを上手く表現していたのは
第19話「夢」でのワンシーン。
明け方 目を覚ました爽子が目をやると
クローゼットを前にする千鶴の姿。
一瞬 ミニスカートに手を伸ばすが
やっぱりジーンズを選ぶ。
ふとした動作に彼女の気持ちが映し出され
言葉はいらないなと思わされた場面だ。
「あたしの夢を叶えるのは
あたしじゃないんだな」
「どんなに可愛がってくれたって
思い出があったって 高校生になったって
近所の子は近所の子なんだよな・・・」
千鶴の独白が胸を締めつけたね。
徹に告白するも
恋愛の意味での答えでは無く
可愛い妹ととして返ってくる。
それでも千鶴は嬉しそうに
「徹!おめでとう!」と
笑顔で結婚を祝福する彼女が印象に残る。
自らの恋にけじめをつけ
佇む千鶴の前に現れる龍。
徹に対して恋では無く
憧れの人だったのかなと
自身を納得させるかの様に呟く千鶴に
「ちゃんと好きだったって わかってるから」
口下手な龍らしい
思いやりのある言葉がグッときて
タイトル通りしっかり届いた。
ギャルっぽくて
ヤンキーっぽくて
子供みたいな彼女だが
やのちんや爽子の為に泣いても
自分の事では涙を見せたりはしないんだよね。
「慰めてよ 龍・・・」
そんな彼女が涙を流し正面から受け止める龍。
幼馴染の立ち位置を上手く描き
テンポも良く魅せてくれたので
入り込んでしまったエピソードだ。
しかし 真田兄弟は男前だね。
■あとがき■
絵柄は好みでは無かったけれど
思っていたより楽しめたよ。
ガッツリ恋愛だけだと観ていたら
友情もしっかり描かれていて
観終わった後に温かい気分になれたね。
それだけにくるみは
今作品唯一の黒いキャラなので
もっと出番が欲しかったな。
今後の二人も気になるので
2期も観てみたくなったね。
満足度 ★★★★★★☆☆☆☆ (6)