29号 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
侮ルナカレ…タダノ「ガッチャマン」ニ在ラズ
まずはこの作品の制作に携わった方々に深くお詫び申し上げますorz
正直この作品をナメてました。
科学忍者隊ガッチャマンの新作で、なんと前作から実に33年!!!
制作はもちろんタツノコプロです。
全12話ですでに2期の制作が決定しているようです。
レビューを書く時は毎回、作画は…とかストーリーが…とか書いてますが、今回は他に思うことがありますのでそちらを書いていきます。
ちなみに監督が中村健治さんってのを知ってオチはおそらく視聴者に投げっぱなしジャーマンスープレックスホールドって書くつもりでしたw
まずこの作品の視聴を終えた時に真っ先に頭に浮かんだのが
「先入観」や「偏見」
そういった言葉です。
「ガッチャマン」と言うタイトルで既に視聴をするかどうか天秤に掛けた方も多いはず。
そもそもこの時点で、既に先入観にとらわれていました。
作中でもこの「先入観」や「偏見」が役職や肩書き、秩序、見た目などを通じて結構絡んでいたように感じます。
キャラクターの設定にも大きく反映されていると思います。
{netabare}
その代表的な2人がはじめと清音。
1話での清音1人での電車のシーンで、妊婦さんのために若者に席を譲りましょうと言う清音ですが、
2話ではじめと一緒に電車に乗った時お婆さんに席を譲らない人に対し清音が愚痴っていると
「疲れてるんじゃないすか?」
「病気だったりするかも?」
と言うはじめ。
MESSとの戦闘でもこのよのようなやり取りがあります。
「お前も人の命を軽く考えている。だから敵にトドメを刺せないんだ」
と言う清音に対して、
「先輩みたいにズバーっていっちゃいけないんすよ。そういうことじゃないんすよ」
と言うはじめ。
GALAXの手帳コラージュのOFF会の時に市長と知った時の清音の態度の変化に
「普通のおっさんっすよ」
と言うはじめに対し、清音は
「市長や署長とかそうならそうと先に言っとけ」
とこんな感じ。
他には、
はじめが「新人」と呼ばれるたびに「はじめっす」と言うこと。
自分をそう言った目線で見て欲しくないという意思表示なのか?
はじめが凄い色のカレーらしき食べ物を作ったシーン。
塁とはじめが話をする時に女装しているにも関わらず「塁君」と呼び、スッピンの方が綺麗と言うシーン。
などこんな描写が多々あります。
このような観点から
「ヒーロー」とは何なのな?
「善」とは「悪」とはなんなのか?
と絡んでいくストーリーは非常に面白くもあり、深いものでもあります。
それにプラスしてSNSの可能性と危険性の両面に触れ、今の世間を風刺しています。
SNSなどが世の中に浸透している今だからこそ、良い意味でも悪い意味でもこう言った先入観や偏見、物事を一方の側面から見てはいけないと感じさせられました。
はじめは最初は超ポジティブ思考で、何にも考えず思った事をズバズバ言うだけと思ってましたが、むしろその逆で色々と考えている事に驚きました。
1度目の視聴では、はじめのセリフは結構不快に感じましたが、この事を踏まえた上でもう1度、視聴するとはじめのセリフは非常に深いと感じました。
{/netabare}
ガッチャマンという戦隊もの殻を被っているだけで、中身は結構深く、メッセージ性の強いものです。
この作品ただのガッチャマンに在らず。侮るなかれ!!
などど、ウダウダ長々と述べてきましたが、これは製作者様の真意ではなく私の見解(妄想)でございますので軽く聞き流してください。
結局何が言いたいかと言うと、面白いのでぜひ見て頂きたいという事ですw
ベルク・カッツェさんウザいけど最高です。
宮野さんハンパないっすw