belka さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
リトルバスターズ
原作ゲームは未プレイです。
2期に向けた前振りだとのことであまり期待していなかったのですが、充分に面白いです。
リトルバスターズのメンバー一人ひとりがキャラが立っていて、見ていて楽しいですし、見飽きることがありません。
個人的には西園さんの話が一番好きでした。
12話で西園さんが好きな小説家の言葉に「小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度である事への抗議からである」というものがあるというのは、どうやら北村薫さんの「空飛ぶ馬」の作中のセリフのようです。
「私、思うんです。今まで出版されたすべての本を読むことができれば良いのに、と。図書館に並んでいる本を全部読むには、私の人生は短すぎるんです。それは、とても悲しいことだと思いませんか?」
この西園さんのセリフは、ある程度本を読む人にとっては、一度は考えたことのある重いセリフなのではないでしょうか。
テヴア共和国は架空の国だそうですが、冷戦時代のアメリカとロシアの間で起こった宇宙開発の競争の中で、ロシアのスプートニク2号にクドリャフカというライカ犬が地球上の生物で初めて宇宙空間に飛ばされたというのは史実であり、その宇宙船にはクドリャフカ一匹だけが乗り、食料は行きの分しかなかったそうです。そして宇宙空間に飛ばされたスプートニク2号は地球に戻ることはありませんでした。
23話で能美クドリャフカが呟いた「一人ぼっちのクドリャフカ」という言葉はこれらを下地にしたものだと思います。その孤独を思うと心が痛みました。
ともあれ、前振りでこれだけ面白いのなら2期はどうなってしまうのか。
これから観るので楽しみです。