「はたらく魔王さま!(TVアニメ動画)」

総合得点
88.5
感想・評価
5739
棚に入れた
27595
ランキング
109
★★★★☆ 3.9 (5739)
物語
4.0
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

まさに「庶民派ファンタジー」

 原作は未読。
 中世的ファンタジー世界と現代文明を接触させた作品は、最近とみに増えてきた印象が強く、
設定自体は特に斬新さは感じなかったが、テンポ感と間の取り方が凄く良かった。こういう
ものは演出で良くも悪くもなるものだなと改めて思った次第。
 日常コメディをベースに、シリアス要素の強いファンタジーバトル要素が挟み込まれていく
ような感じで、人によっては日常コメディ主体の方が好きな人やファンタジーバトル多めの方が
好きな人もいるだろうけど、個人的にはこのバランス比がベストでした。
 加えてキャラが人間的魅力的に溢れた人が多かったのも個人的には高ポイント。

 序盤においてエンテ・イスラから現代日本にやってきた真奥 貞夫(サタン)と芦屋 四郎
(アルシエル)のやり取りは異文化衝突コメディといった感じだったが、この辺はあっさり切り
上げて、すぐに東京での生活に馴染んだ描写に移る。序盤がなかなか面白かったため、もう少し
観ていたい感もあったが、タイトル通り真奥に早く働いてもらうためにもこのペース配分は正解
かな。で、ここからはいわゆる貧乏もの的なコメディ色が強い印象。
 一方、勇者である遊佐 恵美(エミリア)の方も現代日本の生活に馴染みながらも、勇者的な
行動を続けようとするが、これがだいぶ空回りしている印象で、この辺で笑いを取っている
感じ。
 真奥が序盤で見せていた異文化衝突コメディ要素は後から登場した鎌月 鈴乃(クレスティア)が
引き継いでいる感があったが、鎌月の場合は事前にちゃんと勉強をしてきている。但し、学習
してきたのは江戸時代の日本で、同じ異文化衝突コメディでも過去の人間が時空を越えて現代
社会にやってきたコメディのパターンに近い感じ。

 エンテ・イスラと笹塚での真奥の印象の違いに戸惑い、やがて自身の心境にも変化が生じて
くる遊佐や鎌月だが、そもそもなんでこんなに印象が変わってしまったのだろう。
 エンテ・イスラでの真奥の環境があまり描かれていなかったので推測でしかないのだが、
エンテ・イスラでの真奥は人間というものをよく知らないようだったようで、その状態のまま
魔王としての職務に忠実に励んでいたのだろうか。そう考えるとエンテ・イスラでの魔王と
幡ヶ谷でのハンバーガー屋の店員と環境や立場こそ違えども、一生懸命に働くという意味では
まったくぶれていないことになる。
 真奥は世界を征服する野望を捨てていないようだが、仮にこちらの世界にしろ、エンテ・
イスラにしろ真奥が征服した場合、人間というものを知ってしまった今、以前考えていた
征服とは違う形のものになるような気がする。
 
 日常時では東京での低所得者のささやかな生活がよく描かれていたが、他のこの手の作品だと
中高生が主要キャラであることが多いため、主要キャラが社会人というのはある意味新鮮。
 まあ「労働」がテーマの一つであるゆえ、必然的にそうなったのだろうけど。

投稿 : 2014/03/06
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サンキュー:

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