こたろう さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
これくしょんとこらぼれーしょん
漫画原作。
人気ソーシャルゲーム、艦隊これくしょんと微妙にコラボしている作品。
海洋艦船のバトルものなのですが、無骨なイメージの艦と萌えキャラとを融合させた作品です。
艦と女の子。艦隊これくしょんと類似したコンセプトを含んでいるのでコラボ。
第二次大戦中に実在した旧日本海軍の戦艦や潜水艦がモデルとなっており、それらの軍艦を擬人化させた特殊バトル作。
突飛な設定ですがコメディではなく、本筋はあくまでバトルストーリーとなっています。
非常に個人的な嗜好の話になりますが・・・もうね、戦艦・潜水艦ってだけで好き。
海洋の戦争ものを小さい頃から心弾ませて見てきており、萌え豚作品も全然オッケーな私としてはこの手の異色な融合は大歓迎です。
CGによる作画は、ややこしい構造をしている艦の細部まで綺麗に表現してあり、洋上や海中での戦闘艦の動きもカッコよく再現。
フネとしての精悍で美しい様は映像的に存分に伝わってきます。もう、それだけで満足♪
海戦特有の読みと駆け引きが交錯するバトルもイイ。
特に潜水艦が絡む戦闘は、位置探索と打撃と回避と防御が同時に行われる立体戦になるので、暗い海中の地味な映像とは裏腹に、頭脳バトルがものすごく楽しい。
ただ、不満をあげるとすれば、それぞれが超兵器すぎる事。
謎の霧の艦隊は確かに人間の通常兵器を凌駕していないと成り立たない設定なのは理解できるのですが、雷撃や砲撃が被弾してもノーダメージというのはやりすぎです。海戦の醍醐味がこれでかなり削がれています。
トンデモ兵器はいくらでもアリだけど、魚雷、砲撃、ミサイル、それぞれの搭載兵器の特性が活かされるようなトンデモ設定にしておいて欲しい。
結局、特殊兵器でシールドに穴をあけてから削るという単調な戦術に偏ってしまって、後半では少々飽きがきてしまいます。
まあ、それでも充分迫力があって見応えのある戦闘でしたので、贅沢な不満ではあるのですが。
バトルは存分に楽しめましたが、内容の方はというと・・・
設定は面白いですが、ストーリーそのものは何とも言えません。
色々と謎を残したままで決着をみない終わり方をしているので、全体として面白いのかどうかは、この先を観てみないと何とも評価しがたいです。
ただ、登場キャラ(艦のメンタルモデルの女の子達)の成長や変化についはよく表現できています。
それぞれの個性にあった行動原理には納得もできるし、感情移入もしやすい。
人間ではないですが、彼女達のパーソナリティが織りなす人間ドラマ的なところが本作の核であり、見所となっています。
感情や自我をもった兵器が、どう考えどう行動するか。
決着をみないまま終わっていると前述しましたが、それ故にこの先の展開には大いに期待を抱けます。
終わっていないといっても、キチンと区切りはつけてあるので完走後の爽快感としては文句のないレベルです。
総合的にみて、着想も面白く作品としての質も充分。
バトルや萌えキャラにニガテ意識がなければオススメできる作品といえます。
本質的には戦闘よりメンタルモデル達の心情を描いているので、あくまでキャラが中心のアニメ。
萌えだバトルだという事を理由に視聴を避けるのは少々もったいない気がします。
イマイチ主人公や他の人間キャラの扱いが薄いのが不満ですが、この先伏線が回収されていく過程で掘り下げも期待できそう。
続編の作成を望みますが、その前に艦コレのアニメ化で本作が霞んでしまうんじゃないかと、余計な心配もしてみたり(^-^;)