ひげ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ここまで映像化にめぐまれた漫画を知らない
原作はサブカル漫画の王者として名高い松本大洋氏の漫画です。
サブカルってなにさ?って話になると定義が曖昧なので、読んでもよく分からないのになぜかファンがいるとか、普通の漫画は読み飽きた人が好きとか、美大生が食いつくとかそんな感じで。
その良く意味がわからない松本漫画のなかで一番按配がいいといわれていたのがこの『ピンポン』です。
一説では『もっと普通の漫画を描いてください』と編集に頼まれた、描かされたとも言われています。
そんな噂がでてくるくらいですから、原作は『卓球は別に好きじゃない』というオーラがビンビンです。たぶんどうでもいいんです。
内容も『スポ根モノ』なんですが極限まで贅肉を落としてある作品だなと。落としすぎちゃって人によって受け取り方が代わる、深読みが出来る要素がたくさんあります。
スポ根に対するアンチテーゼにも見えるし、いつもの青春ってなんだったんだ的な作品にもみえる。少年漫画でもBLでもない謎のアツい友情も健在。
名前が実はキャラクターのもつ才能の暗示、暗喩になっているなんて話もありました。
でアニメ版は尺の関係もあるでしょうが、この落とした贅肉をいかに盛り付けるか、もっと分かり易くするために監督がどういう風に原作を解釈したのかと、そこが見所だと思います。
オリジナル演出であれ?と思わされましたが10話11話で全てがカッチリとハマり鳥肌が立ちます。
原作の代名詞とも言える台詞『ヒーロー見参』『血って鉄の味がするんだぜ』の扱い方にシビれました。
演出、作画、製作陣の原作に対する『愛してるぜ』感がとにかくすごいです。
おもしろかったら原作もぜひ読んでみてください、はもちろんですが、原作を読んだ人の大半が納得するデキばえなんじゃないでしょうか。
もっと言うとファン代表で湯浅監督達が映像にしてみました的な稀有な雰囲気が・・。
ただキャラクターに関しては実写映画版のほうが上だと思いましたw
窪塚ペコもそうですが、中村獅童のドラゴンが大好きです。
『 飛ぶんだろうが!』がかっちょいい。
それはまぁおいといてもこの『ピンポン』ほど原作ファンがなっとくできるクオリティで映画もアニメも仕上がっためぐまれた作品はなかなかないと思います。
視聴前
やっときました。いまさらアニメ化。
花男とともに読み易いwと人気のあるピンポンです。
むかしむかしのヴィレヴァンに必ず平で置いてあった松本作品の一つです。
いままでの作風とちがって不良くさくなかったりするためか、時代的にも舞台的にもスラムダンクのパクりじゃねえかって人もいますけんど、ずっと江ノ島を舞台にしてきた作者だし、卓球を愛してもいないだろうし、読んで入部したいとはたぶん思わないから。あんな制汗スプレー臭いさわやかな漫画じゃないから。
まぁ流れには乗ったとおもいますw
実写はクドカン作品でなかなか。アイキャンフライ!
原作とちょっとテーマがちがうというか絞ったのかな。
傑作だとおもいますあれ。
アニメは果たして・・・。50~60話くらいだったともうんですが、どうやってまとめるのか、あの独特の文字はどうするのか・・。
中二臭い台詞の数々は?
当時衝撃的だったドラゴンの動き。。それらをいかに表現するのか、たのしみです。
覚書4話まで原作のネタバレあり
{netabare}
原作読者にだれが人気あるかってチャイナとアクマだと思うんです。
アクマは特に感情移入しやすいし。
で、今回の改変です。
ラケットについては先のルンバの描写で現代に舞台が変わっていることが示唆してあったので原作に対してのメタになってるんだと思います。
ペコVSアクマは時間、予算を浮かすためでしょうが・・。
速攻を要求してきたペコに対しアクマのあのナメプ。
チャイナと同じくボールが天に昇るのは終盤のドラゴン戦への伏線?
さて、残念なのが『負けない唯一の方法は・・勝つことだよ!』という名言が変えられてしまいました。
スマイルの『へたくそ』の台詞に呼応する形でアクマもペコに挑発をかけるんですが響きがなんかなぁと。パンチがない。
4話で半分近く消化しているのでアニメならではの何かを描きたいのだと思いますが。消化不良です。。
ペコの才能に気づいているのが視聴者は除いてオババ、スマイルの二人、ここにアクマが入るのか、この時点でアクマもペコの復活を願う一人なのか解釈がわかれるかもしれません、ここらへんをはっきりとこれから描こうということなのでしょうか。もしかしてあとから言い直してくれるとか?
{/netabare}