watawata さんの感想・評価

3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

他人の不幸は蜜の味

非リア充のヒロインがリア充に近付く為に様々なピント外れな努力をするが、最終的に報われず、救いは一切無い、そんなお話。

構成は単純
①ヒロインがリア充に対し妄想を抱く→妄想自体が少しズレています。

②具体的な方法を思案する。→方法も少しズレてます。

③実践、実行する。→100%トラブルに見舞われます。

④失敗。→落ち込むが基本的に反省はしません。(ここが個人的にポイント)

⑤追い打ちをかけて不幸に苛まれる。→救いの無いオチ。

キャラの演出も明解で、極端なリア充を周りに配置し、おそらくは、環境に恵まれず後天的に培われたひねた性格(私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い・・・タイトルからも伺えます)が、ヒロインの非リア充さを浮き彫りにしています。キャラデザが中途半端に可愛いのは謎です、ブサイクであれば、より引き立つと思うのですが、多分感情移入の点から折衷した結果なのでしょう。
自分の置かれている状況と、ヒロインの非リア充を比較し、見下し優越感と安心感を認識した上で笑い飛ばす、それがこの作品の正しい見方だとは思います。しかし何かしっくり来ない。

以下、温い考察と意見の押し付けです。
この手の手法の作品は他にも多々あるのですが、妙に描写が生々しく後味が悪い。
面白いが痛々しくもあり、思わず応援したくなる、(この作品でのヒロインの応援は自分が優位である事を意味し、見下している事と同義)愉快と不愉快が混在する少し変な葛藤に苛まれるのは何故何だろうと。
表題にも書かせて頂きましたが、他人の不幸は蜜の味とは、よく言ったもので、基本的にこの作品を見て面白いと感じた方は大なり小なりこの感情に則り視聴していると思うのです。決して否定している訳では有りません、むしろ、ごくごく自然なのではないしょうか。他人の不幸を自分と重複させ同じ失敗をしない為の本能的な感情ではないのかなっと。笑える＝自分と比較し防御反応が出ている証拠、笑えない＝これも自分と比較し危機反応が出ている証拠、よってこの作品を見て笑った方も笑えない方も正常なのではないかと考えます。
問題なのは何も感じ無いで無関心な状態なのではないでしょうかねぇ。

でわでわ