退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
大正時代の野球熱
【大正野球娘。】は大正14年(1925年)が舞台で、女学生達が野球をする物語です。
女学生の野球部は初めから無く、メンバー集めから始まり、野球のルールも知らないので学習し、徐々に熱血して行きます。
メンバーに超人的な才能を持つ人がいるのはお約束です。
物語はコミカルに進むので、彼女たちが出会う現実の厳しさも、後味を悪くすることがありません。
ゴールデンタイムに家族で見たいようなアニメですが、これも深夜アニメなんですよね。
少子高齢化の影響か、ゴールデンタイムの子供向けの番組って本当に少なくなりましたね。
ちなみに彼女たちの通う『高等女学院』というのは、現在の中学校のことです。
当時は初等教育の次の中等教育を行う学校のことを、男子用の場合は中学校と呼び、女子用の場合は高等女学校と呼びました。
また現在の日本では、戦前に対して抑圧されたイメージを抱く人がいますが、軍部が暴走する以前の大正時代は、普通に開けた時代でした。
大正ロマン、いいですね。
最後に大正時代の野球熱について、『民衆娯楽』(権田保之助 著)から抜萃を載せておきます。
これは大正13年に書かれた娯楽論の本です。
(())内は私の補足です。
『魚河岸((うおがし))の兄い連の間にも((野球の))チームが出来ております。この魚河岸の兄い連のチームと浅草における各種興業連のチームとが、芝浦のグラウンドでマッチ((試合))をやったことがあります。そのときは浅草が負けて魚河岸の兄い連のチームが勝ったということさえ伝えられておるくらいで、そういうことがあるのみならず、東京の活動写真の説明者のチームの連中は、大阪の関西弁士協会という説明者の団体があるが、そのチームに戦いを挑んで毎年遠征をしております。負けた方が遠征をすることになっていて、なんでも三年ばかり連続してそのマッチをやっているのであります。しかもそれが不まじめな売名的にやっておるのではなくて、一生懸命にやっておる。』p42