STONE さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
変態さん、大集合
原作は未読。
殺人鬼の子孫達が、先祖の遺品であるキリング・グッズを使って戦う異能バトルもの。
個人的には単純に善悪で物事を分けるのは、どちらかというと違和感を感じる方なんだけど。
殺人鬼、それも快楽殺人による力というのは、まあ一般的には悪の力でしょう。
現実・非現実のいずれにしても、力の源泉が悪的なもので、それを善的存在であるキャラが
使用する場合、それを視聴者に納得させるには幾つかの問題が生じるように思える。主人公
自体が悪であるピカレスクものやダーティーヒーローものなんかは別だけど。
一つは倫理的問題。もう一つは力が再び悪に転化する可能性があるような場合の制御方法で、
実際のところ灰村 切は終盤において暴走していたけど。
こういった問題は作品によってそれぞれ対応が異なるんだけど、この作品に関してはそう
いった部分が不明瞭なまま終わってしまった感が強く、モヤモヤ感が残った。
「殺人鬼の子孫が・・・」と書いたが、観た印象はむしろ「変態さんが持てるフェチを使って
戦うバトルもの」といった感じ。主人公の切君からして、その髪フェチっぷりは回りが引いて
しまうような感じ。
他のキャラも変態さんが多く、そのフェチ度合いもなかなかのもの。更に映像・演出が
エロティシズムを増長させるような感じで、可愛い絵柄とは相反するように、全体的に悪趣味
感が強い。好き嫌いで言えば、好きなんですけどね。
悪趣味と言えば、切君のキリング・グッズがハサミであるため、敵とはいえ相手を切り裂く
ような展開が多く、これが見ていて痛々しい。そんな設定のためか、全体にグロいシーンが
多い。
切君と武者小路 祝のやり取りは初々しくて微笑ましかったけど。
シリーズ構成があまりよろしいとは思えず、やたらと尺を伸ばしているような印象の回も
あった。そのためか話数に対して、話があまり動かなかった印象が強い。
最終話もなんか中途半端な印象で、更に「今後はこうなります」みたいな映像がフラッシュの
ように出てきて終わってしまった。2期はないから、これがその代わりと言わんばかりに。