ぱるうらら さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
良い点も悪い点もあるマクロスF(フロンティア)
マクロスシリーズの6作目。
マクロスシリーズの第一作、超時空要塞マクロスが放送されてから26年も経つそうです。 これだけ長く続くアニメというものは滅多にないでしょうね。そして、全てのシリーズの歴史(ストーリー)が繋がっているそうです。 マクロスFはアニメ内の時系列でいうと、マクロス7の後、超時空要塞マクロスⅡの前のお話だそうで…。それでも、話がかなり繋がっているかというと、殆んど繋がっていないために、初めてマクロスを見る人でも普通に見ることができるようになっています。
このマクロスシリーズの舞台は21世紀の銀河系宇宙。
戦闘機に酷似した飛行形態から巨大ロボットに変形するものが登場するSFロボットアニメと考えても良いでしょう。 もちろんマクロスFも例外ではありません。 ただ、人間味のある人間同士のストーリーも多く含まれています。
マクロスシリーズは毎回作風が変わっていて、その中でもマクロスFは『学園青春ドラマ』をイメージしているそうです。 そして、マクロスFの最大の特徴といえば、他のレビューでも述べられているように、『数多くの歌』が歌われるところでしょう。
このアニメの良い点と言えば、
まず、シェリルとランカそしてアルトの三角関係がこのSFロボットアニメに、うまく人間味を醸し出していること。シェリルとランカの二人が、話が進むに連れて段々とアルトに思いを寄せていくところがそれです。 そして、登場人物の感情描写(ミシェルが死んでしまったところで、ミシェルに恋心を抱くクランが絶望と憤怒の感情が明確に表われているところなど)もその人間味を多く補強していると思います。
そして、主要キャラ1人1人の特徴や背景の設定が良いこと。 作画が良いこと。 戦闘シーンのクオリティが良いことなどです。(特に、最終決戦の時の戦闘はとても迫力がありました。)
しかし、悪い点も沢山あります。
登場人物の作画が偶に乱れていること。 アルト達(登場人物たち)の日常シーンなどが多いために、戦闘シーンがかなり少なくなっていること。 このアニメの設定を壮大なものにしようとし過ぎて、その壮大さにアニメがついていかず、中途半端に終わってしまったこと。(いくつかの設定をまとめずに放置したままになっている)そのために、マクロスFの後半部のストーリー(シナリオ)が薄くなっています。私が、このアニメを1度目に見たときは、最後のグダグダな展開についていけずに記憶にない場面や話がところどころありました。 また、シェリルとランカそしてアルトの三角関係が中途半端なまま、未解決で終わってしまっていること。せめてシェリルかランカのどちらかを選んで欲しかったです。そして、そのように恋愛などを中途半端に終わらせるくらいなら、もっと戦闘シーンを増やして欲しかったです。
悪い点も沢山述べてきましたが、それでも戦闘シーン、作画、キャラの特徴・背景、そして何よりも作中の数々の曲のおかげで、総合的には良アニメであると私は思っています。
作中の曲だけの評価がこれほど高いアニメは他にはほとんど無いでしょう。EDテーマの『ノーザンクロス』は曲が良かっただけではなく、ED中のあの作画も素晴らしいものでした。
各曲が単体でも聴けるくらいの出来です。 マクロスFを観る前に曲だけを聞いていた人も沢山いるそうですし。
このアニメの評価については賛否両論ありますが、私的には是非見ていない方々にも見て欲しい良アニメだと思います。たとえこのアニメが肌に合わない人でも曲だけは必ず良いと思うはずですから♪