北山アキ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
インフルエンザ視聴しての雑感
1期視聴済み
ファムはネットでは主人公として評判が悪いようだけど、僕は嫌いじゃなかった。
でも、1期と比べて、子どもが子どものまま何とかなっちゃうご都合主義は強い。
1期はもっと大人に混じった子どもの非力さが表現されていてよかったけど、2期は無能な大人ばかり。
兵器は生産財ではなく消費財なので、軍需産業に依存すると経済が破綻する。破綻を避けるためには戦争を生産しなきゃいけなくなる。財を消費し尽くす負のスパイラル。
あの軍艦数に比べてあの町の景色。偉そうにしてもこの世界の王たちが民需民生を完全無視しているのがよく分かる。
まあ無能だからそんな世界になってるんだろうね。
そういう野蛮な世界のほうが物語は面白いしね。
ルスキニア総統の(若しくはシュナイゼル殿下の)思想もしくは手法は経済的に効率的なのだからもっと評価されるべき。
強力な軍事システムの傘に世界を強制参加させられれば、軍事投資を抑えつつ、生産活動に投入する労働力と資源を最大化できるし、そうすれば帰還民の受入れ容量も広げられる。
システムは悪くない。誰が運用するかというルール決めの外交をちゃんとすべき。
例えば、米国の核兵器が米国民には向けられないという手続き上の担保があるから米軍の核軍備は米国民に是認されている。
この世界の人とシステム管理者の関係がそうなれば、問題は無い。
ファムの(若しくはルルーシュの)思想は耳障りは良いけど、そういうものは不確実性が高いし、話し合いによる利害調整の結果を担保するシステムづくり、強制力の確保は難しい。大国による政治利用もされやすい。
核保有国が核不拡散なんて言いながら他国に核を与えず、自国の核は廃棄しないなんて妥協を許すことになる。
青臭さは思想家としてはOKでも、統治者=制度の設計・運用者としては匙加減が難しいところだ。
1期も同じだけど、これ見てると船を空に浮かすなんて発想は効率が悪すぎるのがよく分かる。
撃墜されるとみんな地上に真っ逆さまという無駄な運命共同体。
現実の戦闘機や爆撃機がいかに兵員に優しく、小回りが効き、省エネ性能が優れてるかよく分かるね。
こういう巨大艦を空に浮かせるアニメはそれを必然たらしめる設定を盛り込んで欲しいと思う。
タチアナさんは今回もいまいちぱっとしなかった。
それなりに面白かったけどね。