じぇりー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
魑魅魍魎
という言葉がまさにお似合いである。
この作品は様々な「狂気」を描いている。
愛情という名の狂気、執着という名の狂気、探究という名の狂気、好奇心という名の狂気、渇望という名の狂気、狂気の沙汰、そして「凶器」・・・
種々雑多にクレイジーな人々が同じ街に集結すると、こんなカオスな世界が出来上がるヨ~という様が描かれている。有体に言うと。
ただ、原作がまだ続いており、本作も既刊の原作を全て網羅した内容ではないため、未解決のまま終了している重要案件がいくつかあるが、一応の纏まりはつけて終わっているのかなと思う。
さて、ストーリーについてだが、確かにスピーディーで奇を衒った展開は面白い。
恐らくこのアニメにおいては、ちょうど主題歌が変わる12話までを「前編」、13話以降を「後編」とざっくり捉えることができると思うのだが、私としては11~12話辺りが全編を通して見ても、最もクライマックスだった。
大抵のアニメなら、本作の12話までの内容でも充分面白い作品として評価されるのではないだろうか。
だがこの作品は、「さて、ここまでを踏まえた上で・・・」と言わんばかりに、さらにストーリーが展開していく。
成分に「群像劇」とある通り、物語のキーとなるのが、OPアニメに登場するキャラクター達なのは、見始めた段階で容易に察しがつくし、その一人一人のキャラクターが、作中にも出てくるオセロの駒のように表と裏の顔を併せ持っている・・・ことも、何かが起こる前からビンビンと画面から伝わってくる。
・・・だけに、13話以降のストーリーが12話までの盛り上がりに対して、インパクトに欠けていたことは遺憾千万である。
作中、折原臨也が頻繁に弄っている将棋盤の上のチェス、オセロ、将棋の駒が何を表しているのか、ということを類推しながら見ると、面白いかもしれない。(実際私はそうしていた)
それこそ12話のラストのシーンだったと思うが、3つの王将が無造作ではあるが頭をつき合せて転がっている描写がある。
この3つの「王将」が誰・何を指すのか、というのは12話までを見た時点で思い浮かぶ人物と、全話観終わった上で当てはまってくる人物とで異なってくると思うが、私としてはアニメに関してだけ言えば、どちらの捉えようも「アリ」だと思っている。
それに少々因んで・・・でもあるが、チャットルームの演出も面白かった。
本作は、各話ごとにそのエピソードの中心人物、あるいはエピソード中に起こる出来事に少なからず関与していた人物によるナレーションで進んでいくのだが、物語中盤まで、このチャットにもその回のナレーション担当者が声を当てていた。
インターネット上のチャットという高速の掛け合いを、一人の声が担うというのは、結構演者の力量が見えてしまうものだなぁと、感じた次第。
いや私ぁ、誰が上手いとか下手とか、そんな事は言ってませんからね!
そんなこと書いたら、それこそ四面楚歌ですやん(汗
・・・あ、あと本当にチョイでしか出てこないが、イタリア人のおじさんがツボだった。
コレモ、国際交流ネ~★