シェリー さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
たくさんのことを学んだ作品です。
こことは別世界のお話。
あるとき突然「蝕」により中島陽子、杉本優香、浅野郁也の三人が見知らぬ土地に飛ばされて物語は始まります。
最初は彼らのことが語られある程度落ち着いたところで他の人の話になり
また戻って今度は陽子のことになり、それが終わったら知り合いの友の話になって終わりです。
こんなこと言っても分からないとは思いますがなにも知らずに観た方が面白いです。
口頭ではイメージしにくい言葉や情報が氾濫しますが今何が起こっているかくらいわかれば十分楽しめましたし、
話の区切りには一話分使って丁寧に説明してくれるので心配は杞憂に終わりました。
終始この物語で語られることは「人間」のことです。
それがどれだけ醜く、どこまでもずるく、底の無い井戸のような愚かさを持つものなのか、
また反対に、どんな者でも自分と世界と和解し誠実に道を歩むことができることを教えてくれます。
何人かの人に焦点を絞り、それぞれがそれぞれ別々の苦痛の運命をどうやって受け入れ、許せるのか。
描かれるその過程はリアリティ溢れるもので観ているこちらとしても、とても他人事のようには見えませんでした。
それくらい苦難と挫折がありありとしています。それを通して彼らが得たものは同時に僕らにとっても大切なものでした。
実際に観て共通した苦しみを持つ者を見つけられたならば彼らの答えを聴くことにそれなりの価値と意味があるはずです。
ただこのアニメは普通のアニメより画も地味ですし動きも少ないです。
さらに上にも書きました通り分かりにくい部分も出てきます。
だからもしかすると人によっては辛抱強く「観る」ことが要求されるかもしれません。
そのかわりと言っては何ですが、こちらが差し出したものよりもきっと多くのものが得られる作品に間違いはないです。
この作品には本当に多くのことを学ばせてもらいました。素晴らしいの一言と感謝の思いでいっぱいです。
他の方も言っておられますが僕も言わせて頂きます。「この作品に出逢えて本当に良かった!」と。
誇張でも何でもなくこれが本心です。