kuroko85 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
原作者の深みが現れている
原作が、売れっ子(実力派)作家による小説3冊から
なるだけにプロットが良く出来ています。
非現実的なテーマと特殊な設定を
無理なく受け入れられるのは、間違いなく
原作の設定が緻密に構築されているから。
時は千年後の日本、場所は利根川と言う言葉からも
関東近郊の自然豊かな田舎町。
超能力が一般となった社会は、その抑制の為に
千年間さまざまに変化もしたし、変化を無理強いもした。
千年後の日本は、ハイテクノジーが進んだビル郡ではなく
長閑な村と多くの廃墟。その引きがねとなったのも、
この物語のテーマである「呪力=超能力」。
そこでキーとなる「バケネズミ」や「ミノシロモドキ」、
「ネコダマシ」と言った架空の生き物を、はっきりとした像の形で
示せたのはアニメの特権と言える。
※更にイメージとして存在であった「悪鬼」と「業魔」の存在も。
設定は一般化された超能力をどうやって人間が
抑制してきたか。千年の間に慣例とされた
システム。既に遺伝子にまで組み込まれている攻撃抑制等。
主人公を含む、その年代のグループが
僅かな好奇心から掟を破った事が、抑制の輪を少しずつ破綻させていく。
そこで徐々に明かされていく千年の歴史と人間の業。
自分達の禍根により、主人公達に訪れるその歴史の反動。
(ラストはかなりえぐいです。絵とかのビジョンではなく
既成の事実が、、、)
この絵柄は個人的に嫌いなのだが、
物語の大半が子供時代なので、この絵柄でも
それほど気にならなかったのが大きい。
(ただ途中の原画崩れが酷いのも注意)