STONE さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
よくできた娯楽作品
やっぱり、こういう王道ヒーローものは娯楽映画作品に非常に向いているなと。
複雑すぎないストーリー展開、ほどほどのシリアス要素、そして主人公が活躍して、ハッピー
エンドで終わるなど、ありきたりと言えばそうなんだけど、1本の映画作品として観るとこう
いった要素がいい方に出ている感じ。
元々テレビシリーズがそれほど複雑な設定ではなかったため、テレビシリーズ未視聴の一見
さんでもそれほど鑑賞に支障が無さそう。加えて劇場では本編上映前にテレビシリーズを5分に
まとめた総集編をご丁寧に上映してくれたし。
主人公である鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックスJr.が活躍するのは当然として、各
ヒーローにそれぞれ見せ場があったのも嬉しいところ。
加えてファイヤーエンブレムの過去から引きずる葛藤とその解決を描いていたもの印象的。
テレビシリーズではパーソナルな部分を含めた各ヒーローのピックアップ回があったが、それが
無かったのがファイヤーエンブレムとロックバイソン。そういう意味では本作でのファイヤー
エンブレムのチョイスはいい選択。こうなると残りのロックバイソンもいずれ何らかの形で取り
上げて欲しいものだけど。
更に今回は新しいヒーロー、ゴールデンライアンが登場。
金にうるさい功利主義者でいかにもイヤなやつといった感じの描き方、更に「実は敵の
内通者では?」と思わせるようなミスリードもあったりしたが、いざという時は市民や仲間を
守るために必死になるようないいやつだった。まあ、金にうるさい部分などは実際にそう
なんだけど。
これ1本だけで終わりだとちょっと勿体ないようなキャラでした。
1本の映画としてはかなり満足度が高かった作品。
ただ、「TIGER & BUNNY」というシリーズとしては、ルナティックとの因縁やまだ壊滅
していないウロボロスなど未消化の部分もある。実際、本作はその辺を扱ってくれると思って
いた人も多かったのでは?
この辺はテレビ、映画、OVAのいずれでもいいから片を付けて欲しいな。