plm さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

ネッシーネッシーネッシーネッシーネッシーネッシーネッシー

ＴＨＥ日常癒し系の系譜。毒無し害無しな内容なので日々の生活お疲れさんな人向け。
観るのに最もエネルギーを使わないタイプのアニメ代表格。
アニメを観るにもバトル系や青春系は自身の精神状態も活発なときの方が観やすく、
逆に疲弊しているときは、のんびりとした作品を観て癒されるのが吉なようだ。
しかし一方で、活発なときにのんびりしたのを観ると、退屈に感じられることもあるのだとか。
かくいう自分もこの作品には、久々に時間が長く感じるキルミー感のようなものを味わわされた。

といっても、キャラの掛け合いのテンポは悪いわけでもない。
この作品のノリは大きく分けて、小紅のラブコメ波動、真白たん、変態姉の三要素で成り立っている。
小紅がベタなラブコメしつつ話の筋を取り持ち、要所要所で姉が荒ぶることでコミカルさを維持する。
個人的にはその中で最もフリーダムに動き回る、真白たんの挙動が一番気になる見所だった。

小紅が思い悩む中、真白たんはテレビ見ながら踊ってたり、
姉がぶっ飛んだ言行を繰り返す中、真白たんは意外に常識人な反応したり、
そういう落差のせいもあってか、一層際立つ真白たんの天真爛漫さ。
特にちょこたまごの回はお気に入りで、本編そっちのけで真白たんの大人買いの結末が気になっていた。
動画工房の作画はキャラが活き活きしてイイ。そういう部分ではメリハリが効いていてすらすら観れた。

■でもなんだか物足りない……。
まぁしかし恋愛部分には見所がなく、展開に意外性もないので個人的にはちょっと味気ない作品だった。
白夜の存在が小紅をデレさせるためだけにいるみたいで、機械的すぎる。
やたら理想のイケメン男みたいなアピールして、小紅がこれまた大げさに照れるアピールする。
このラブコメシーンが姉と同じようにうっ……！ってなるだけだった。
人間的な優しさや思いやりっていうより、忠犬的なご主人様への奉仕って感じで人間味を感じられない。
これに異性としてどぎまぎしてるっぽい小紅に共感できず、小紅可愛い！ってなれなかったところ。

「たわいない女の子たちの会話を楽しむための日常系」に「恋する乙女」要素を加えようとして、
「女の子たち」を邪魔しないように男を出した結果、いびつなキャラになってしまった気がする。
のんのんの兄貴はしゃべらないけど、ところどころの立ち振る舞いでキャラクター性が感じられたのだけど。
白夜自体は機械的なのも含めてキャラクター性なのかもしれないけど、
小紅がなんだかやらされてる感とスポットライト無理やり当てられてる風に感じてしまった。
一応そこが話の本筋になってるのもあって、この部分に入り込めなかったのが痛手だった。

それもあってか対照的に、やっぱり真白たんの気ままさに一番癒されるのかもしれない。
声優さん新人なの？！って信じられない。ＧＪ。
作画崩壊したりあからさまに素人声優なアニメも多い中、この作品はプロの仕事だと思える出来。
そういう意味ではとても評価したい。けど個人的な満足度としては一歩出ず。