★mana★ さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
それぞれの家族のかたち。
この作品の主人公「河内大吉」は、祖父のお葬式で
りんどうの花を片手に持ち、呆然と佇んでいた一人の少女と出会う。
目が離せなかった。少女の目が何かを語っている様で。
その子はまだ6歳の子供で、祖父の隠し子であった。
母親も誰なのか、分からない。
驚きはしたが、それは作り話の様な真実であり、
今この子が一人きりになった。と言う事。
まだ幼いこの子が、どうなってしまうのか・・。
その結果は、目の前で揉めている親族を見れば一目瞭然であった。
その瞬間、大吉は心に決めた。自分が預かろうと。
その時の大吉はまだ「預かる」であり、「育てる」ではなかったのかもしれない・・。
その子の名は、「鹿賀りん」であった。
そこから、大吉とりんの生活がスタートしたのですが、
大吉は独身で働き盛り。歳の近い私は同じ様に想像してみましたが、(男女で感覚は違うと思うけど。)
とても普通の人には出来る決断ではないと思いました。
当たり前ですよね?責任が大きな過ぎる。そこまで自分の人生にリスクを背負おえないと思います。ましてや、男性が、です。
だけど、大吉は違った。
日を追うにつれ、りん中心の生活にしていく。
仕事も、日常も、何もかもをりんに捧げる様になっていく。
初めて経験する事も、不器用ながらこなしていく。
いつの間にか、大吉はりんを「育てる」様になっていたのである。
りんもとても良い子。
6歳では到底理解出来ない様な事を、しっかり受け止めている。
子供らしくない?いいえ。りんはしっかりしてるけど、とっても可愛いくて、素直な女の子。
だからこそ、大吉も真正面から受け入れられたんだと思う。
日々大事な物が増えて行く日常。
そこから、広がる人と人との関係。
初めての経験する、喜び、不安、怒り。
全て、あの時2人が出会ったから出来た現実。
この作品は子供が居る・居ないで見方が全然変わって来る作品だと思います。(祖父の子供を育ててる、ってのは無いとは思うけど。)
私は居ないので共感は出来ないけど、
大吉の素敵さが十分伝わる作品だったので、
何でもない様な所で、泣けて来たりしました。
全てはりんの為。そこには一切嫌みなんてなくて、
素直に大吉の気持ちが受けとれた。
誰の子供とか、自分の子供として、とかではなくて、
全ての事情を、お互い受け入れた2人の「家族」の姿でしかなかった。
だからいつか自分の子供が出来たら、
大吉の様に大きな愛で包んであげたいな、
なんて恥ずかしい事を思っちゃったりしました(*´ω`*)