退会済のユーザー さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
面白いけど世界観に無理がある
まずまず面白かった。
…けど、どうも素直に面白かったという感想が受け入れられない。
どうしてだろう。
多分、視聴中ずっと付き纏っていた"違和感"が問題だろう。
他の方のレビューに私と同意見があったんだけど、これは
『メディア良化法が制定されて、それに抗う図書隊の設定を
素直に受け入れられるか否かで評価が真っ二つに分かれるアニメ』なのだろう。
1話みてこの設定は夢オチかと思ってたが、まさかこの世界設定のまま
最後まで突っ切るとは思わなかった。
こんな未来が本当に来るかもねーって視点で視聴できる人には
非常に興味深いアニメになりそう。
ちなみに私は反対で、この将来の展望には若干無理を感じてしまったクチである。
本当に「メディア良化法」なんてものが制定されたら、本よりまず人を取り締まると思うんだ。
本の取り合いで銃撃戦になるとか、本にダイヤでも入ってるのか、と。
表現の自由を取り締まってる世界観のはずなのに、マスコミが押し寄せて
生中継するシーンがあったりするもんだから疑問を感じないわけにはいかなかった。
本は人間の気持ちを文字に起こしただけのもので、そこに銃撃戦になるほどの
価値があるとも思えないんだ。
一度読んだらそこに書いてある内容を100%理解できて、
未来永劫読んだ内容を忘れない、魔道書みたいな位置づけだったら少しは
納得なんだけど。
その辺りに触れず、あえて結構シリアスにやっちゃってるから、
作者からのメッセージ性が変に見え隠れして、
「これ作ってる人本気でこんな未来を信じちゃってるの?」
という雑念が、楽しもうとする気持ちを終始阻害してくれちゃう。
細かい設定もあり、違和感を書き消すにも十分なほどしっかりと背景を
練りこんであるのも分かる。
だけど、馬鹿には細部まで理解するのは少々難しい。
「メディア良化法」が銃撃戦になるほど深刻な問題性がどうも
伝わらなかったから、最終何のために戦争してたんだっけ?と視聴後、
最も重要なテーマが自分の中から見事に抜け落ちてしまった。
普通に自衛隊モノアニメであれば、また印象は違ったかもしれない。
余計なもの取っ払って突飛な設定が入って無ければ結構面白かったんだ。
堂上教官格好いいし、笠原さんが教官の言動に一喜一憂して
やがて気持ちが靡いていく描写はベタだったけど、乙女心を如実に表していて良い。
意外にシリアスで、会話のやり取りもよく考えられてる感じだから
例え世界観が気に入らなくても、決して見れないアニメには分類されない。
それだけに惜しいアニメだとは思いました。
3話ぐらいまで見て、世界観に違和感を覚えない人であれば、
きっと高い確率で高評価に繋がるアニメだと思いました。
通しで見て、5話の両親に配属先を隠す話と、10話のイジメに遭う話が
自分の中で盛り上がった。