おコメ ゴン太 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
二回観よう!
私自身、もともと「映画>アニメ」。
子どものころハマったアニメ(「スラムダンク」や「るろうに剣心」など)や、ジブリ作品以外、あまりアニメを観ることはなかった。
そもそも時間があれば映画を観ることこそすれ、
アニメはあまり選択肢に入っていなかった。
「アニメはヲタク向け、または子ども向け」という固定観念があった。
ところが、
本作品を観て、考えを改めざるを得なくなった。
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ちなみに私事で恐縮だが、
本作品を観たのは入院中だった。
今思うと、観たのが入院中でなければ、
最後まで観ることをせず、途中で断念してしまっていたかもしれない。
それほどまでに、前半部分はパンチがない。
おまけに、
主人公・岡部の厨二病的な「設定」や、ダルのヲタク的な話し方、見るからにアニヲタっぽいまゆしぃの外見など、
私が苦手とする要素が盛りだくさんで、
慣れるまでに少々時間を要した。
ただ、物語が進むにつれ、
このようなヲタク的要素があるからこそ、
「救われる」部分もあるのだと感じた。
一度観た人なら分かると思うが、
なかなかに、重い。
前半のノホホン、ダラダラ・・・そういった印象を180度覆されるほど、
後半はヘビーである。
ここでいう「重い」とは、
「暗い」とか「残酷」とか、
そういう意味だけでなく、
「心情描写がとても丁寧」・「筋書きが綿密」など、
前向きな意味合いも含む。
そのような「重さ」が前面に出てきそうなところを、
ヲタク的要素が軽減してくれる。
それだけでなく、
それが時に笑いをもたらしてくれる、
なくてはならないスパイスのような役割も果たしている。
ヲタク的要素がなくなったら、この作品はどこか「締り」がないものになってしまうだろう。
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ちなみに、私が「Steins;Gate」を観たのは去年(2013年)だったが、
映画も含め、これほどまで余韻が残る作品は他になかった。
そして、これほどまで話が緻密に練られていて、
尚且つ、話が進んでいく中で「点と点が一本の線につながる」ような爽快さを味わわせてくれる作品はなかった。
この作品ほど、登場するキャラクター一人ひとりの心情を丁寧に描いている作品は、なかなかない。
おかげでヲタクの代名詞的な街「秋葉原」に、私は聖地巡礼しに行ってしまった。
もちろん、バッグの中には「選ばれし者の知的飲料」を携帯し、小腹がすいたときは「おでん缶」を買って。
そうそう、
1度観て面白かった!と思った人は、
2度観ることをおススメする。
話の中には、例えば「タイムリープマシンの原理を助手が説明するシーン」など、
1回観ただけではちょっと難しくてスッキリしないところがより理解できるようになる。
加えて、鈴羽の言動がこんなにも意味深だったことに気付く。
1回目はただなんとなく流していたシーンに、こんなにも意味があったのかと。
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長々綴ってきたが、
アニメにここまで心を打ち抜かれたのは久しぶりだ。
これもシュタインズゲートの選択、なのか。