「夏目友人帳(TVアニメ動画)」

総合得点
90.1
感想・評価
5006
棚に入れた
23713
ランキング
64
★★★★★ 4.1 (5006)
物語
4.3
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

友人帳が紡ぐ過去と現在、その絆

……いいですねえ。1話完結式ですが、どの話も優しくて、あたたかくて、EDに入るころには自然と涙が滲んでいます。
EDの中さんの曲も作品の雰囲気に合っていて、物語の余韻に心地よく浸れます。
 作中のBGMも穏やかでいいですねえ。アコースティックギターとピアノがメインで優しい曲が多い。そんななかでも、Calling youのイントロを彷彿とさせるような切ないBGMが最も印象に残りました。
 また声優さんの演技も素晴らしいですねえ。神谷さん出演のアニメはいろいろ見たけど、こんなに優しい声・話し方をしている作品は初めて見ました。ここまで雰囲気を変えられるものなんですね!にゃんこ先生と斑も同じ人がやってるとはとても思えないし。毎話登場する妖怪たちも それぞれベテランの声優が見事に務められていて、異形の者たちであっても感情移入してしまいます。
心と心の触れ合い、そこに種族は関係ない。人と人、人と妖、妖と妖…それぞれの暖かな関係性に触れ、見てるこちらの心までほんのりと暖かくなります。
お気に入りの中でも特にお気に入りな作品の一つです

以下、好きな話の感想

{netabare}
2話 小さな祠の神様とただひとり参拝を続けるお婆さん。切ないけれど、ほっこりした気分になれました。1話もかなり良かったけど、この話で夏目は自分が好きなタイプの作品だと確信しました。
妖だって1人ぼっちは寂しい、人間もいっしょ。レイコが居なくなり、話し相手は居なくなってしまった。それでも変わらず参拝を続けてくれた1人の女性。彼女のお参りがあったから彼は存在していられた。想う気持ちが在る限り、神は生きていられる。想う人が居てくれるから、神はそこにいる。
愛の形は人それぞれ、神と人の想いが生んだ美しい物語。

6,8話もテーマが似ていましたね。人間と妖怪の触れあい。
燕も蛍も人間の優しさに触れ、人間を好きになって……ああいう健気さに弱いです。
暖かくて優しくて人間が好き…なかなか思っても言えない言葉、そう思えるのが素敵な言葉。
けれど、見えない そばにいても気づいてもらえない寂しさ……どちらも最後は相手に気づいてもらえてよかった。
結ばれることはなかったけれど、その想いは報われたよね。
蛍がぶわっと舞い上がるシーンは感動必至です!

そして7話はもう悶え死ぬかと思った。何に目覚めさせる気だよ!でも、アニメ界見渡してもなかなかここまでかわいいキャラいないんじゃないかな。男か女か、人間かどうか、そんなの可愛ければどうでもいいことなんですね。カワイイは正義!
話は、見てて「手ぶくろを買いに」を思い出しました。新美南吉氏がこの話を観たらきっと気に入るだろうなあ
なんとか夏目の家までたどり着いて部屋の中の一家団欒の様子を見たときの表情は…観てるこっちの心までキュッとなりました。
寂しいのは、寂しかったのは僕…
夏目が気づいて、追いかけてくれてよかった!転んでしまった子狐と帽子を手にした夏目が向かい合ってる絵は屈指の名シーンです。
あんなにかわいい子狐との約束なら、ものぐさなレイコさんでもきっと忘れないでしょう。恐れずに自分が勇気を持って一歩踏み出せば、相手も一歩踏み出しやすくなる。そうして互いの仲は深まっていく
母狐は人間のせいで死んでしまったのかな…まだ小さいのに人間が嫌いってのはそういうことなんだろうな…でも夏目の、人間の優しさに触れられてよかったね。子狐に話しかけるときの夏目の声が一番柔らかで優しいと思う。

10話 アサギの琴
能登まさしく能登!これぞ能登の真骨頂。もし先に原作を読んでいたとしても間違いなく能登ボイスで脳内再生されていたであろう!雅な大和撫子キャラを演じさせたら右に出る者は居ない。
もし指を一本失わなければならないなら、右手の小指にしてほしいと思ったことがある。アコギを弾くうえで一番使用頻度が低いから
でもアサギは指一本どころか身体全てが崩れ去ってしまった。それも憧れの人を前に演奏しているときに。どれほど辛かっただろうか。病にかかってからも彼女が彼女らしく居られたのはいつもそばに蛇の目さんがいたからに他ならないだろう。
アサギの琴奏を聞いてみたかったが、それはこの世界の音では表現できない美しい想奏だったのだろうから仕方ない。BECKで歌声が無かったのと同じ感じだよ



五日印の話は それまでよりホラー色が強く、妖怪は怖ろしい存在でもあることを再認識させてくれて良かった。みすゞの試練はレベルが高い。死ぬって!
夏目は妖怪に面白いと思われることが多いなあ。
霊力はレイコさんのほうがはるかに高くとも、妖怪からみた魅力は負けていないはず。

{/netabare}

OPEDについても語らねばなるまい。
オープニング曲「一斉の声」はまさに夏目友人帳のOPにふさわしい爽やかさ、物語の始まりを予感させる。特にサビの伸びやかな歌声がいい!
歌っているのは喜多修平、アニソングランプリの初代チャンピオンだ。
ED担当の中孝介といい、優しい歌声が作品にぴったり!
歌詞も夏目の心情が歌われていていいですねえ。
たらい回しにされ続け、ついにたどり着いた 巡りつけた優しい場所。
ここですこしずつ変わっていこう、一歩ずつ変わっていきたい
という夏目の気持ちが伝わってきました。

EDもいいですねえ。歌はもちろんEDアニメーションが素晴らしい。
場面が変わっていろいろ写って動けばいいわけじゃない。
ただ河原にいる、しかしそばにいるふたりの関係性。そして名を呼び、いっしょに家路に向かってくれる人。
平和な夏の一日、夏目の一日を垣間見れて最後にまた安らかな気持ちにさせてくれる…夏に聞きたい曲リストがまた増えました

投稿 : 2014/09/14
閲覧 : 367
サンキュー:

21

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