「BLOOD-C(TVアニメ動画)」

総合得点
64.4
感想・評価
896
棚に入れた
4428
ランキング
3852
★★★★☆ 3.2 (896)
物語
3.0
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.4
キャラ
3.1

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おなべ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

ファイト!ファイトです、小夜!

放送当時、何処を回っても酷評の嵐だったある意味問題作「BLOOD-C」。
あにこれでもやはり評判は芳しくないですね。
私はリアルタイムで毎週見ていたんですが、いやはや、意外にも楽しんで視聴出来ました。

ストーリーが悪い印象を与えがちですが、結構脚本はしっかりしています。毎回キャラクターが何か裏のあるやり取りをしているし、「これ絶対、後で何かあるだろ」なんて思わせるシーンも頻繁にあります。ネタバラし回では、そ、そうだったのか…!不覚にも見入ってしまいましたね。


脚本も設定も、田舎感満載の雰囲気も中々気に入っています。
それなのに何故こんなにも微妙…ッに感じてしまうのか、自分なりにレビューしてみました。



まず、話の進みが絶望的に遅いです。
1クールのストーリーものでこのペースの遅さは中々ない。ある意味挑戦的です。制作者は視聴者に構わず実験的なことをやってのけます。
先週も同じことやってなかったけ?そう毎週思ってしまう位、ともかく話の核心に中々、一向に進まないのです。削ってもいいようなシーンも多く、もうポエムいいから…とは何回思ったかわかりません。
しかし11話、最終話で一気に展開します。エピソードとしては良いのですが、今度はネタバラしのスピードが早過ぎて、視聴者置いてけぼりです。もっとじっくり描くべきところを、さらりとしか触れてくれないのでフラストレーションを感じてしまいます。
父様の過去や舞台の裏設定等、解説であっさり済ませるのではなく、1話分使って描写してほしかったです。


次に、主人公小夜が人知れず古きものと呼ばれる怪物と戦うのがこの作品の見所なのですが、戦闘シーンに熱くなれない。
何で熱くなれないかと言うと、遠いカメラワークが多く、淡々としていて、臨場感がありません。戦闘以外の日常パートでもまた然りです。この客観的な視点は、実はそれなりの理由があります。でも、見にくくてハラハラ出来ません。演出もっと頑張れ。
古きものも、ゴチャゴチャに混ぜ込んだような微妙なデザインでしたね。ただ、未だに頭に残っている強烈な見た目な奴もいたので、そこまで悪い気はしません。
中盤から、クラスメイトを巻き込んでの血みどろバトルになっていきます。BLOODシリーズは流血描写やグロ描写は切っても切れないのですが、如何せん、人をぶっ殺し過ぎて小夜VS古きものの戦闘よりも人間が次にどんなふうに殺されるかを見るような気分になってしまいます。
お、おかしい…途端にスプラッター作品に成っちまいやがった!


そして、主人公小夜に中々感情移入出来ないことが、かなり残念な要素でしょう。いやね、水樹奈々の鼻歌を聴けるのはBLOOD-C位なもんです。しかもアドリブらしいし、本当、妙な所に力を入れるよ制作者たちは。
小夜が皆を守ることに、じゃあ何故守るのか?誰がそんなことを決めたのか?等、疑問を抱き始めるのですが、心理描写にあまり重点を置いていません。また、皆を守れなかったことに悔やむのも、あっさりとしか描写していませんでした。もっと小夜の葛藤や苦悩を濃厚に描いて欲しかったです(コミカライズ版だとアニメ版よりかは小夜の心情に共感しやすく描かれています。)。



そんなこんなで残念だった部分を書きました。触れるべき所に少ししか触れない物語の構成が、やはりこの作品の惜し過ぎるところでしょう。
しかし最終話、いろんなことがあってションボリする小夜ちゃんに私は感情移入し、一気に好きになって「よっしゃ、劇場版も観に行くで!」となりました。
小夜の不憫っぷりには、もっと前面に出して沢山話数を使っていれば良かったですね。そうすれば、多少は好きになれた方もいたはず…うん。

リアルタイムでは「今回はどれだけ話進むかなあ」ワクワクして見ていたもんです。制作者の奇妙な意図も、最終話まで見てようやくスッキリしたし、中々楽しませてもらいました。決してクソアニメなんかではないと思いますよ。

投稿 : 2014/02/13
閲覧 : 381
サンキュー:

13

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