yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
委員長か、先輩か、それが問題だ。(妹編観たので追加)
オムニバス形式による6つのショートストーリー(+1)からなる作品。6つのifを並列した構成となっており、主人公・舞台設定・時間軸が同じで、ヒロインのみが異なる6つのストーリーが展開される。
純然たる恋愛モノで、各ストーリーの短さ(1ヒロイン当たり4話)もあって、ヒロインとの恋の進展以外の要素はほぼ皆無である。
元来、こういう恋愛モノは苦手で、一人で観ていても赤面したり、身もだえしてしまうのだが、もちろん、本作でもそうなった。赤面し身もだえしながらも最後まで視聴してしまった。
本作の魅力がヒロインにあるのは言うまでもないことであるが、主人公の貢献にも着目したい。この手の作品では、視聴者がいかに主人公とシンクロ出来るかっていうのも一つの重要な点である。シンクロ率を高めるためには出来うる限り「没個性」が求められる。誰もが彼に成りうる、彼は彼であって彼でなく、我々視聴者の憑代となる存在。つまり、最大公約数的な「僕」であることが求められる。これが、いい具合に達成されていたのではないか。このことも本作が人気作となった一つの要因ではないかと、勝手に思っている。
森島はるか編
{netabare}はるか先輩のぶっ飛びぶりが素晴らしい。実はこのストーリーのみ、主人公からアタックしているアグレッシブストーリー。うーん、こんな先輩に振り回されるのもいいなー。ひざ裏にキス!?マニアックすぎる・・・(個人的には許容範囲)しかも、エロい。そして、ラストでもう叶わない男の夢(あくまで個人的な)を実現する主人公!「先輩はいや、はるか って呼んで」。人生で一度はこんなセリフを言われてみたかった!!だが、俺にはもう無理だ・・・俺より先輩って・・・ {/netabare}
棚町薫編
{netabare}いいよねー、こういう気の合う仲間を、ふと異性として意識するとか。今度は、へそにキスだと!?・・・エロ要素強すぎないか(個人的には許容範囲)?でも、友達からは恋人への飛躍にはこのぐらいの刺激が必要なのかもしれない。こういう女子女子していない子もいいもんです。 {/netabare}
中多紗江編
{netabare}なぜか、この編のみナレーションが・・・これ必要なんだろうか?紗江がしゃべらないキャラということでこうなったんだろうけど、少し違和感。ストーリー展開もオーソドックスすぎる感も無きにしも非ず。紗江の衣装の変化が多くそういう意味での楽しみは満載であった。今回はフェチっぽいキスは無し。 {/netabare}
七咲逢編
{netabare}ちょっと気の強い後輩、こういうのも悪くない。徐々になつかれていく過程も楽しいものだ。ただ、全体的に印象の薄い編となったのはどうしてだろう?キャラが立ってないわけでもなかったのだが、後輩が続いたのが悪かったのか? {/netabare}
桜井菜穂子編
{netabare}ドジッ子幼馴染。王道のキャラですね。ストーリー展開も王道を行き、この作品で初めて明確なカップルとならずにFinを迎えている。この編ではむしろ脇役である茶道部の先輩が面白かった。 {/netabare}
絢辻詞編
{netabare}本命中の本命、委員長。しかも学祭の実行委員長でもある。成績優秀で容姿端麗、さらにリーダーシップも抜群と非の打ちどころのない女の子。しかも裏の顔がある!その上、その裏の顔を知るのは僕一人!僕だけに本心を晒す委員長。最高ですね。ストーリーとしても一番練られたもので、見ごたえもありました。 {/netabare}
上崎裡紗編
{netabare}これのみ一話完結。バッドエンディングの仕掛け人と告白される話。主人公は相当に優しいヤツで、今までの恋の邪魔はすべてこの子のせいだと分かったうえで付き合うことに。度量が大きいのか、女の子ならだれでもいいのか・・・? {/netabare}
橘美也編
{netabare}これも一話完結。実妹なので、たいしたことはおこるまいと思っていたが、ところがどっこい!なかなかたいしたことが発生した。実妹にアマガミされる・・・ヤバいだろ、羨ましすぎるだろ。{/netabare}
作品の構成として、最初に「森島はるか」を持ってきたのは大正解だと思います。森島はるか → 棚町薫 → 中多紗江 と進むにつれてトーンダウン感が否めず、最後の「絢辻詞」で盛大なフィナーレを迎えた。最初に「絢辻詞」を持ってくるわけにはいかないとすれば、この選択がベストでオンリーであったと思う。最初が「森島はるか」でなかったなら、最後まで視聴することが出来なかったかもしれない。
各ストーリーのエンディングを各ヒロインが受け持つという手法がとられているのだが、中多紗江以外のエンディングは曲と映像の各ヒロインへの迫り方が甘く、特筆すべきところはない。
最後に私のヒロインの好みを。
一位 絢辻詞
二位 森島はるか
三位 棚町薫
四位 七咲逢
五位 中多紗江
六位 桜井梨穂子
七位 橘 美也
八位 上崎裡紗
絢辻詞と森島はるかの差は非常に僅差であり、棚橋薫と七咲逢の差は比較的大きい。四位以降の差はあってないようなものである。