come-on Y さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

構成の勝利

この作品の最大の魅力は他作品を圧倒する構成・企画力です。

各話ひとつひとつ見ても全体を通して見ても魅力的な描き方（活かし方）、原作
未完結をアニメ化する時のひとつの答え方、制作をAICとアスリードの２社共同
することで作画を安定しやすくしたり、それぞれの得意分野で力を発揮できる等、
今までのアニメがやらなかった、出来なかったことを平然とやってのけました。

また「声優ライブ」だけでなく「イメージソングライブ」を同時に行ったり、視聴
者のオフ会にスタッフが参加して親交を深めたり、「作品性」以外でも画期的な
試みを色々していたことにも好感を持ちました。

難点を言えば、作中で描かれているテーマがどれも視聴者の中心層（中高生）には
難しすぎて、ほどんどの人に理解されてない印象があることでしょうか。
{netabare}そもそも「愛するものを、愛を信じて殺せるか」という表題テーマでさえどれだけの
人が理解しているか。このテーマを真っ向から描いている作品は少ないはずなのに
「ありきたり」という言う人が多いことからもあまり理解されてない気がします。{/netabare}

なので、一度視て頂いて、ある程度成長してからもう一度視てもらったほうがより
楽しめる作品かもしれません。

{netabare}「fate/zero」のあおきえいさん、「ささみさん@がんばらない」の高山カツヒコさん、
「フルメタ」の堀内修さん、「うたプリ」等の上松範康さん、歌手活動も精力的に
行っている茅原さんや「らきすた」のみさおとはまた違う魅力的な演技をしていて
驚かされた（特に1話最後の演技は必見）水原さんメイン２人をはじめとする声優
陣など老若的にも分野的にもバラエティ富んだ制作陣も見所です。

そして原作の瀬川さんも含め、どれかひとつの「色」が濃く出ることなく、各所の
魅力が均等に引き出されている、言い換えるとどれか一つでも違う人間が担当して
いたらここまで素晴らしくはならなかったであろう珍しい作品でもあります。
いつかまた「このスタッフの作品」を見てみたいですね。{/netabare}

※１４年夏アニメにあおきｘ高山コンビのオリジナルアニメ（アルドノア・ゼロ）と
瀬川さん原作の「東京ＥＳＰ」が同時にアニメ化・・・嬉しい反面、同時期は避けて
欲しかったなと。