ガムンダ さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
稀有な傑作 他にあったら是非教えて頂きたい
(レビュー更新します 評価変更なし)
「無印」「ふもっふ」の続編になります。
国際テロと戦う無国籍の私兵集団、ミスリルの傭兵相良宗介が日本の高校に通う要人、千鳥かなめの護衛の任に就く、というお話。
ロボットものが苦手の私がお勧めする傑作ロボットアクションです。
ロボットアクションと言いつつこの作品は派手なアクションより、丁寧な心理描写と緊迫感あるストーリーを楽しむ作品と言えます。
以下魅力を順不同で列挙します。
<アクションとラブコメの両立>
{netabare}護衛する兵士(戦争ボケ)と護衛される女子高生(度ツンデレ)との間に深い信頼関係が芽生え、また、ソウスケの上官であるテッサもソウスケに好意を寄せており、見事な三角関係のラブコメが成立します。
シリーズ通して単にラブコメとしても第一級の出来栄えと思います。
ただし「ふもっふ」はラブコメメインで存分に楽しめますが、こちらはシリアスパートになっています。 {/netabare}
<若者の挫折と成長 見事な心理描写>
{netabare} 幼い頃から兵士として訓練され、弱冠17歳で傭兵として働くソウスケがカナメへの好意を自覚し自身の在り様について葛藤します。
このプロセスをよくある厨二キャラの様に多弁を弄する事なく描いていく心理描写が見事です。{/netabare}
<キャラの魅力>
{netabare} ソウスケだけでなく、周囲のキャラの心情も実に見事に描いています。
直接的な台詞で語るのではないのですが、難解と言う訳でもありません。
そのバランス感覚がとても良いです。
カナメとテッサ、両ヒロインも甲乙付け難く魅力的です。
本命はあくまでカナメですがこれはソウスケ困ってしまいます。{/netabare}
<会話劇>
{netabare}キャラに心情を吐露させるのに多弁を弄するわけではない、と書きましたが、会話劇としてもこれまた見事なのです。
情報部レイスとの電話でのやり取り、基地に帰投したソウスケとテッサの問答、テッサとマデューカス副長の問答などがその代表的なシーンです。
凡庸な作品はあくまで作者の脳内での「出来問答」が見え透いて興を削ぎますが、この作品はかの「銀英伝」にも匹敵するキャラとキャラとの緊迫感あるぶつかりあいが楽しめます。
特にテッサとソウスケの問答のシーンでは視聴者もつい主人公であるソウスケに移入してしまいますが、テッサの完全に当を得た発言にぐうの音も出ません。
またこのシーンでのテッサ役ゆかなさんの熱演は特筆ものです。{/netabare}
<私兵組織の丁寧な描写>
{netabare}主人公が所属する私兵集団「ミスリル」について、謎が沢山残されますが、情報部や作戦部の縄張り争いや駆け引きなどが丁寧に描かれます。
また前線部隊だけでなく兵站や間諜などの描写も丁寧です。
対テロを掲げている様ですが、自身も非合法のテロ組織である認識も描かれミリタリー物として一応の説得力を持ちます。 {/netabare}
全体のストーリーや殺し屋姉妹の登場など、ご都合主義の部分も否定できませんが、その前提の下に丁寧に描かれているのでそれは意外と気になりません。
またラストも1クール作品として見事に纏まっています。
むしろこれほどのTVアニメには滅多にお目にかかれない傑作と言えます。
設定が荒唐無稽でも作りこみが丁寧でセンスが良いと名作になり得ます。
その点私にとってはあの「銀英伝」と楽しむ部分が似ています。
他にもこれ程の作品があったら是非教えて頂きたいです。
完全ゴミ余談ですが
{netabare}質問サイトで「カナメを香港に連れて来た女は誰か」「最後に寒空の下で監視する女は誰か」と話題になってるのを見かけた事がありますが、それ以前の伏線を勘案すれば彼女がおじさんの変装を解いたレイスである事は疑いありません。{/netabare}
完結編熱望します。
以下初回レビュー
2014.02.07 23:23
続編ですので前篇を先に観てください。
前篇では割と平和な日本と戦場がハッキリと分かれていましたが、The Second Raidではいよいよ敵の手がヒロインに伸び巻き込まれていくお話。
ラブコメの方も進展し、鈍感な主人公もヒロインへの好意を自覚し始めます。
戦いが二人の仲を引き裂き、それを乗り越え成長する物語も加わりドラマチックな良作でした。
つづきが有る様な終わり方でしたがアニメ化されていないのかな?