天翔龍閃 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
漫画だからこそ赦されたトラウマアニメ作品
この作品の基はギリシャ悲劇の「オイディプス王」であり、そういう作品なのであると最初に言っておく。オイディプス王では、罪を暴く者、暴かれる者、罰を受ける者全てがオイディプス王自身であったのだが、このエルフェンリートでは、前1者が主人公、後2者がルーシーとして描かれている。
で、作品内容は表面的に観ればエログロ美少女ハーレムSF。萌え要素である美少女が、バイオレンスやスプラッターシーンによるグロ描写と絡む事でギャップが生まれるのだが、そこにトラウマも生まれてしまうという困ったアニメ。素人にはオススメ出来ない。1話冒頭で{netabare}登場した秘書にドジっ子萌え属性を感じ、この子はこういうキャラで陰から支える立ち位置なんだろうかと思った矢先に惨殺されたのは{/netabare}もうトラウマっす。
だが、作品のテーマ性を考えた時には奥が深いものとなっている。新人類であるディクロニウスと人間(又は人間と人間、ディクロニウスとディクロニウス)との間で繰り広げられるイジメ、虐待、差別を象る描写。それらを赦す救いを人間ドラマ(愛)で描いている。
それは当時の社会事情を彷彿とさせるもので、だからこそ海外では大きな反響があり未だに根強い人気があるのだと思う。
自分はアニメを観てから原作の漫画を読んだ口。漫画を読んだ方が作品に対する知識は深まるはず。
声優さんは実力のある有名な方が多く起用されている。
特にマリコ役の川上とも子さんは「CLANNAD」の幻想世界の少女、「ヒカルの碁」の進藤ヒカル、「ARIA The ANIMATION」のアテナ・グローリィ、「少女革命ウテナ」の天上ウテナなど有名な役を多く演じていたのだが、急逝したというニュースを3年前に見た時は本当に残念に思った。
キャラ設定は当時は衝撃的だった。あのギャップったらないよ。これは流石に主要キャラだろ?って思っても肩透かし食らうし。ルーシーの豹変っぷりも怖いっす。
作画は、アニメだからよりグロさが強調されている。スプラッタアアアアアアア(;゜д゜)
原作に比べたらアニメのが萌え要素は強い。そこがギャップ強調されてトラウマになるんだけど。
音楽は、OPはラテン語?で唄われてるのかな。画も独特で雰囲気は出てた。
そういや、音楽っていうか、タイトルのエルフェンリート(妖精の歌)はアニメじゃ語られなかったなって今更ながら思った(´・ω・`;)おせーな。