OZ さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
プラトニックな同性愛
原作の漫画版は読んでいなく
避けていたジャンルだったが
なんとなく観てみたら
百合物も悪くないなと思えた
女学生の同性愛を描いた作品
■プラトニックな同性愛■
まず驚いたのがOPから
メインキャラクター2人の裸。
ガチ百合かな?なんて
観ていたら本当にガチだったね。
と言ってもキスシーンはあるが
性的描写は一切無く 至ってプラトニック。
揺れる心理描写から
醸し出される空気感は絶妙で
印象的だったのが
第8話「恋は盲目」
ラスト喫茶店での場面。
杉本先輩に振られた事を話す京子を見て
既に終わった仲とはいえ
ふみ自身吹っ切れたつもりでいても
先輩と過ごした時間が脳裏に浮かび
スーッと涙がこぼれ
また京子もふみを見て涙する。
お互い同じ相手に振られた者同士
今もなお先輩を想い 忘れる事が出来ない。
台詞は少ないが
画面いっぱいに広がる
やるせない気持ちと
哀調を帯びているBGMが相まって
作中で最も印象に残っている。
ふみは京子であり
京子はふみなんだなぁ。
少し綺麗過ぎる気もするが
プラトニックな同性愛は
男女関係無くピュアなんだね。
■避けて通れない告白■
同性同士の恋愛を続けていれば
いずれぶつかる壁であるカミングアウト。
この手の作品では最も気にしており
どう描かれるのか注目していた。
第4話「青春は美わし」で
親友のあーちゃんにふみは
「杉本先輩が好きなの 付き合ってるの
あーちゃんに嫌われたくない 気持ち悪いなんて思わないで」
大切にしたい仲だからこそ
隠し事をしたくない思いから
涙ながらの告白。
対してあーちゃんは
「別に女の人を好きでもいいんじゃないでしょうか
私の頭がシンプルすぎるのかな」
「気持ち悪いなんて思わなかったよ」
「あたし ふみちゃんを応援したいんだけど
具体的にどうしたらいいのかな?」
偏見を持たず
ふみの苦悩を受け止めるあーちゃんは
純粋で心から優しいんだよね 。
観ている側にとっても
彼女の存在は大きくて魅力あるキャラだ。
OP「青い花」の歌詞にある
「君がいてよかった それは一番思う事」
やっとフレーズの意味が分かった気がする。
理解してくれる 支えてくれる
友達がいるふみは幸せものだね。
■あとがき■
アニメを観終わったと言うより
純文学作品を読み終えた様な
答えの見えないふわっとした感覚だ。
ハッキリ言ってアニメ版は勿体無かったなぁ。
もやもやが残るので後日
原作の漫画版を読んでみたら
印象が変わったね。
全8巻原作の漫画版に比べ
アニメ版は3巻までと
これから物語が始まる所で終わってしまう。
アニメ版はほんの序章。
もし原作の最終話までやってくれていたのなら
評価は大きく変わっていたかもしれない。と感じる程
結末に至るまでの過程が色濃く
百合作品では傑作に入るだろう漫画版。
そういった意味でアニメ版は
今後の展開が予想つくけれど
起承転結の結がぼやけているので勿体無かったかな。
同性愛を綴った純文学的アニメ
満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆ (5)