空野 落 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ファンタジーモノではトップクラスの出来
原作の『十二国記』を映像化したもの。原作はファンタジー作品として有名であり、スケールも大きく読みごたえがある。
映像化するにあたって省略されたりオリジナル要素が大きく関わっているため別作品と考えてもいいと思う。
ただ原作を読んでいてもいなくても十分に楽しめる作品といえるだろう。
この作品のよいところは世界観や設定が濃い。古代中国の周王朝時代をモチーフにしており、全くの異世界であるが、とっつきやすい世界観になっている。
また主人公の陽子が騙され人間不信になりながらも成長する過程は見ている側も感情移入しやすい。
前半部分は王になるまでの過程、後半は王になってからの葛藤を描く。またオリジナルキャラである浅野や設定が異なる杉本の存在もあり、キャラが多く中々見応えがある。
難点は45話と長いことと成長する過程が長く、盛り上がりが後半部分に集中し飽きやすいこと。また全体的に雰囲気が重いため明るいファンタジーを期待すると肩透かしをくらう可能性がある。
ただ、この重さこそが今作品の特徴でもあるため一概に欠点とはいえないと思うが…
中嶋陽子
主人公。普通の女子高生でるがもとは十二国の住人。あるとき景麒によって十二国の世界に戻される。
色々苦労を乗り越え王になり、政治を行うために様々な経験を経る。
最近では見ることの少ない男前な主人公。最初は王の器がないと自信がなかったが成長して一国の王の貫録をみせつけるシーンは圧巻
景麒
慶国の麒麟。陽子を異世界に戻したのはこの人。あんまり喋らないし、出番はそこまで多くないが、伝説の麒麟であるため印象には残る。
楽俊
ネズミの半獣。この作品の癒しキャラであり、陽子の恩人ともいえるキャラ。とにかくできたキャラで、最後まで信じてくれるいい人。カウンセラーのような心の広さが特徴
尚隆
隣の国の王。色々陽子を助けてくれる兄貴分キャラ。陽子と同じ日本から王に選ばれたキャラでいろんな意味で先輩
六太
尚隆の麒麟。馬鹿だがいいキャラしている。見た目が幼く、麒麟としても若い。
大木鈴
明治時代のときに十二国の世界に来た少女。色々仙人にコキ使われて大変だったが、慶東国の主軸になる。後半のメインキャラ
祥瓊
芳極国のお姫様。ただクーデターで失脚し、無一文になり陽子を恨む。楽俊と出会い自分の無知さを知り考え直す。後半のメインキャラ
杉本優香
現代の世界から来た陽子の同級生。いじめられており異世界に興味がある。アニメでは陽子の対比のような位置づけであり出番が多い
浅野郁也
現代からきた陽子の幼馴染。アニメオリジナルキャラであり結末は暗い。ある意味この作品を象徴するキャラでもある。
高里要
番外編でもある『魔性の子』のキャラクター。番外編であるためそこまで出番はない。
総括
45話と長く、盛り上がりに欠けるが後半部分は熱い部分があり見応えがある。ファンタジー作品が好きなら見とくべき作品である。