STONE さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
この関係、どこへ向かっていくのか?
原作は未読。
基本的には1期のテイストがそのまま引き継がれている感じだが、キャラ絵が変わった。
どちらがいいかは人それぞれだと思うけど、個人的にはどっちもありということで。
更にキャラの性格も若干変わったような印象。これは監督が代わって、キャラをどう
捉えるかが違うためではないかと思ったのだが。
1期は三日月 夜空しか知り得ない真実というストーリー上の仕掛けがあったが、1期の終盤で
それも無くなった。そのため本作は話が平淡になるかと思われたが、前半においてはその分
ギャグに特化した感じで返って面白くなった。それほどたいしたことが起きなくても、それを
笑いに結びつける展開はやはり上手いなと思う。
ただ、前半の反動か、後半以降はかなりシリアス色が強くなり、この辺は好き嫌いが
別れそうな印象。
全てを知っているという夜空の強みが無くなったせいか、本作は夜空以外のヒロインが1期
以上に目立っている感じ。
柏崎 星奈のハイスペックぶりは1期以上によく描かれており、加えて羽瀬川 小鷹とは許嫁
だったり、幼なじみだったりで、加えて本人も小鷹に対して積極的とアドバンテージ取り
まくり。
1期に較べて、描かれる比重が一番高まったのは志熊 理科で、精神的な部分で一番小鷹に
近づいたのは彼女ではないか?、という感じ。そういう意味では終盤におけるメインヒロインは
理科なんじゃないかと。加えて1期において夜空が髪を切ってしまったため、アニメにおける
定番ヒロインキャラの一つとも言える黒髪ロングストレートキャラの座も取っちゃった感じ。
楠 幸村もここにきて女子であることが判明し、男の娘的位置付けから、本格的にヒロインに。
更に2期ものではお約束とも言える新キャラも登場。高山 ケイトは一種の引っかき回し役と
いった印象だったが、生徒会コンビの遊佐 葵、日高 日向が本格的にストーリーに絡んで
くるのは今後なのかな?といった印象。
逆に割を食った印象が強いのが夜空。
残念な結果に終わるのは1期から描かれていたが、2期はそれが更に顕著になった印象で、
特に自分の蒔いた種が裏目に出るといったパターンが多かった。
映画制作以降は作り手が夜空に怨みでもあるのかと思うぐらいひどい扱いだったが、ここまで
落ちると、今後は巻き返しがあるのかな?という気もしてくる。
1期の頃から「隣人部の関係は、既に友達じゃないか」と思っていたが、今期で描かれる
キャラの心情からすると、既にそのことに気付いている模様。
しかし、この作品においては友情と恋愛の線引きは曖昧で、ほとんどのヒロインが友達以上の
関係を望んでいるように見受けられる。実際に星奈ははっきりと告白をしてしまったし。
それに対する小鷹の反応だが・・・。
この作品、キャラの立ち位置においては、男子一人に、その男子に好感を持つ女子複数の
ハーレムものの形を取っており、今までハーレムものと言うと、主人公が女子の好意に鈍感で
あったり、ハーレム関係を維持させるために設定をうやむやにしている作品が多かったが、
本作では1期からあったヒロインの好意的アプローチを、小鷹が聞こえない振り、気付いて
いない振りをしていたことが判明。
それが「何だって」というセリフに象徴されるわけで、ひどい態度ではあるのだが、ハーレム
ものでハーレム状態を維持させるための設定としては結構、斬新だったような。
現実においてもよくあることだが、特定の男女のグループに恋愛関係が入り込んでくると、
グループ内の空気が変になり、最悪グループが壊れてしまうことはよくある。そういう意味では
小鷹がそういった状況に陥らないように避けていたというのも判らなくもない。
しかし、理科の発言にあるように、ヒロインからすると逃げに見えてしまうのは事実。
これは小鷹に限ったことではないが、これまでは隣人部のいずれもが本音を隠して接して
いるようで、楽しげでありながらもどこか嘘が感じられる不安定な空気が漂っていた。その
問題点が本作の終盤において一気に噴出した感じ。
3期があるのかどうかは知らないけど、この関係がどこへ向かっていくのか楽しみではある。