「機動警察パトレイバー the Movie(アニメ映画)」

総合得点
78.6
感想・評価
384
棚に入れた
1835
ランキング
545
★★★★★ 4.1 (384)
物語
4.2
作画
4.1
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

sinsin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

押井作品。

【良い点】良く世界観を表現している点。

【悪い点】やや、緻密な世界観とふつりあいになってしまった、ロボットデザイン。

【総合評価】この作品の舞台は、レイバーと呼ばれる巨大人型ロボットが、存在する1999年の東京である。
レイバーは多くの作業機械に導入され、レイバーを悪用する、レイバー犯罪も起きるようになる。
それを、取り締まるため警察もレイバーを持つ。そのレイバーを持つ特車二課(警察の部署)の物語である。
基本的に、カメラの位置、レイアウトはやや引き気味で、人物を映した。その分の余白は、このためにわざわざロケハンしたとゆう、緻密に描き込まれた東京の背景画。
全体的に、背景を映像の前面に出すことによって、世界観、空間を表現することに成功している。攻殻機動隊以降世界観が狭くなってゆくイメージだが、この頃の押井監督には、広がってゆくイメージを感じる。
作画による演技は、アニメらしい。最近の押井監督では、見られない。
ご都合主義的な展開もあるが、全体的に整合性があり説得力がある。

そんな、機動警察パトレイバー 劇場版の世界観。
帆場暎一(天才プログラマー犯罪者)=コンピューターによる管理=心を大切にしない。
対比
特車二課=現場の判断=心を大切にする。
全編にわたり、コンピューターによる管理、人の心を大切にしないことへの危機感を、描いた。なお、画面に登場するカラスは、魔女の使いつまり、科学技術に取り込まれ、踊らされている帆場暎一を象徴していると思われる。
ラスト、そのカラスは、ヨハネの黙示録に出てくる獣の数字666のプレートを下げている。それは、支配や管理を意味する。
カラス=魔女の使い=科学の僕。
以上のことからテーマは、「科学技術に支配されてはいけない」だと思う。

全体的に背景によるヴィジュアルイメージで、世界観を巧く表現した作品。また、失われた技術、背景動画をたくさん見られるのも特徴。
やや引き気味のカメラワークも、この時期のアニメとは思えぬほど凝っている。魚眼レンズで撮ったような演出も良かった。
黄瀬和哉氏も、若い時があったのだなぁ。
世界観と共に、テーマ性、娯楽性を高次元に表現した素晴らしい作品。

投稿 : 2014/01/29
閲覧 : 304
サンキュー:

6

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