jethro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
驚くほど美しくドラマティック
音楽が結び付けた3人の男女が織りなす学園恋愛ドラマ
「WHITE ALBUM 2」となっていますが続編ではありません
ただ前作と同様の世界観となっており
前作のアイドル歌手ヒロイン2人の曲や広告などの露出があり
特にタイトルの由来ともなる
前作のメインテーマ曲「WHITE ALBUM」を
大きく別仕立てのテーマとしてリスペクトしています。
私は順番に視聴しましたが、どちらから先に見ても
全く問題ないと思います。
ただ前作は大学生で、やや大人に近い恋愛ドラマに対し
本作は高校生が主役となりますので
後味的に
こってり味がお好みならば逆コース
そこそこ さっぱり行きたければ順番に見れば良いのではないかと思います。
さっぱりと言っても両作ともそれなりにヘビーではありますが・・・
前作は前期と後期が直結する2シーズン26話ありますので
そのあたりも考慮に入れるべきかと思います。
いづれにしても、片方だけ見て終わらない方がいいです。
というか、両方見るべきです!!
さて本作ですが
前作に引けを取らぬほどの傑作でした。
前半は爽やかな学園ドラマ
音楽室、部室、屋上という隣り合わせの3つの空間を利用したシチェーション
その一つ一つがつながっていく様子は
驚くほどに美しくドラマティックな光景でした。
後半から本格的な恋愛ドラマへ移行していきますが
その自然な成り行きには胸が締め付けられるような思い
私はプラトニックに相手を思い続ける冬馬(とうま)派だったので
後半の展開には特に大きな驚きはありませんでした。
むしろ至極自然な流れだったと感じていますし
主人公がとった行動に関しても肯定的です。
だからといって雪菜(せつな)を否定的に見ている訳でなく
充分、魅力を持ったキャラであることは間違いありません
可愛いと言うだけで充分なステータスですが
何と言っても彼女の魅力は、最初こそ先手を打つものの
その後は、常にフェアな立場を維持しようと努力する健気さです。
{netabare}そして、やっぱりラストかな、飛び立つ飛行機
春希(はるき)の背中を抱き続ける雪菜(せつな)
それでも春希を愛し続けようとする本気の姿はその名の通り切なかったです。{/netabare}
主人公の春希(はるき)に関しては一切文句ありません完璧なキャラクターです。
この手の物語の主人公はこうあってしかるべきです。
「なんでこんな男に惚れるの?」という初歩的なハードルを越えられない
恋愛ドラマの主人公が多い中にあって、完璧なモテ男の資質があります。
これは「主人公最強」と言っている訳ではないので、お間違えなく!!
後半戦が始まって更に深みを増すようになる前半戦の物語
この痺れる様な痛切な構成は、「意外」とか「驚き」といったものではなく
多分そうなんだろうと思っていた事の再認識であり
振り返ってみてもまた自然な成り行きである点こそが真骨頂
ゆえに2周目視聴もなかなかの新発見の連続
「微妙な視線移動」や「え?」「ん?」という細かな演出に
「なるほど!」と納得する事しきりです。
初回視聴で驚きの後半と思っていた方たちも
「ぜんぜん驚きではない事」に驚くかもです。
シビアな物語ですが恋愛ドラマを堪能したい!!と望まれる方には
類い稀なる傑作ですので、十分満足いただけるのではないかと思います。
そして、本作を見て熱にうなされた あなた
続編アニメの完成を期待して待とうなんて気の長い事を言わず
即座に原作ゲームをプレイしましょう
絶対に絶対にあなたを裏切らない!
「ゲームは苦手?」
私は本作アニメ視聴終了直後、我慢できずにPS vita本体と同時購入
長いと聞いていたので、寝床に持ち込めるようにvita版を選択しました。
そして即プレイ、この手のゲームは実は初めてでした。
スタートボタンを押して幕を開ける物語・・・
しかし、いつまでたっても選択肢など現れず・・・なんと
本アニメの最終回部分まで突き進みます。
アニメの原作部分に当たる「-introductory chapter-」は
ゲームなんかじゃない!
完全なフルボイス&ミュージックで贈る完全なドラマなのです!
そして終了直後から始まる「彼らのその後」・・・というより
ここから始まる彼らの物語
そう、本作原作部は「ほんの序章」でしかなかったのです!
とてつもなく膨大でそして深く濃く痛みが伴う第二章のスタート
堪能し堪能し夕食後5時間を繰り返す事・・・
1周目終了まで90時間以上費やしてしまいました。
「closing chapter」と命題された第二章では、いよいよゲームらしくなると思いきや・・・
何時間もかかってようやく現れてくる選択肢は、ほんのわずか
しかも絶妙なタイミングで詩的なまでの見事な選択が迫られます。
素晴らしい! 今までこんな素晴らしいものを知らなかったなんて!人生相当損してました。
vitaですから、18禁内容は削除されていますが
たとえ、それがあったとしてもこれは「エロゲー」なんかじゃない!
「泣きゲー」「感動ゲー」です!
というか、ゲームという言葉があまりに軽く安っぽく感じられるので
ゲームなんて言葉で呼んで欲しくない!!
寝不足に苛まれながらも続けてしまうシナリオの見事さ
魅力が溢れまくるキャラクターたち
春希の、雪菜の、そして かずさ の声が・・・忘れられない!
のべ5年間にも及ぶ一大恋愛巨編・・・最高の体験でした。
webで調べれば様々な情報が飛び交っていますが
PC版でもPS3版でもVita版でもいいから、とにかく情報収集なんかせずに
迷わず購入しプレイしてしまいましょう
そして、驚き、動悸し、嗚咽し、感動し・・・彼らと共に5年間過ごしてみてください
あなたにとっての「大切な人生の一部」になるはずです。
沢山泣き過ぎで、目の周りがあかぎれ状態になるので、柔らかいタオルが必須です。
原作オールクリア
あまりの破壊力に茫然自失、今なお震えが止まりません
こんなにも凄まじい感動の世界があるなんて
目の当たりにしながらも信じられない
原作ゲームは、悪い言い方をすれば単なる紙芝居です。
しかし、全てを終えた身としてハッキリ申し上げたい
このアニメが子供の玩具に思えるくらい
表現する言葉が見当たらないくらい
素晴らしい原作でした。
分岐するルートのどれを本線にして申し分ない凄まじい完成度
「もう、見たくない・・・でも、見届けずにはいられない。」
まさにその通りでした。
このキャッチコピー一体誰が考えたんだ!!
この素晴らしき作品に出会えた事に感謝
そして、作品にかかわったすべての方に大きな拍手を捧げたいと思います。
ありがとう!!
(原作ゲームオールクリア後加筆改訂)