jethro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
群像劇のような恋物語
音楽業界を舞台の中心に据え
ごく普通の大学生と彼を取り巻く女性たちを描く恋愛ドラマ
プロの書く脚本とはこういうもので
本作を視聴すると他のドラマがいかに低レベルのところで競い合っているのか
そんなことを、まず思い知らされます。
そして
もう一つは今の世の中は便利になり過ぎて
面白味が欠けている事を思い知らされました。
携帯電話が無く、家の電話にも留守電機能が普及していない時代
そこには距離があり言葉が届くまでに時間がかかる
簡単な一言が届かない
どうでもいい一言が誤解という気持ちを芽生えさせる
この時間の広がりが人と人との思いを最大限に膨らませる
登場する女性たちにそれぞれのドラマがあり
主人公は彼女たちを渡り歩きながら全体のドラマが進行する
ギャルゲースタイルですが
群像劇のように広がる恋物語は沁み渡るような情緒があり
あざといまでに憎たらしい演出が散りばめられています。
この前半ではシビアなストーリーが展開されますが
後半では息がつけるキャラも登場し全体バランスも絶妙になっていきます。
主人公は良くも悪くも思いやりがあり心優しい青年
この優しさゆえに傷つくヒロインもいますが
裏切り等の行為にも目もくれず
ブレ無くこの基本姿勢を崩さず突き進む主人公は
ある意味、気持ち良く、モテ男の資質十分といえます。
とはいえ
男の身勝手な思いやりは、ある種の「業(ごう)」でもあるので
魅力的なヒロインたちが沢山登場する物語であっても
好意的に受け取っても、やはり男性向けの作品だと思います。
このあたりが「昼ドラ」テイストでありながら実はそうではない唯一の点ですね
実写的に考えれば、主人公を演じる俳優が
奥さま受けする一世代前の二枚目俳優ともなれば
「昼ドラ」と受け取ってもおかしくはないと思いますが・・・
とにもかくにも、魅力あふれる作品
恋愛ものが好きな方は是非ご覧になっていただきたい逸品です。
(前後半合併レビュー)