plm さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
劇中劇オチはまだなのか?
ノイタミナ枠で同時期に始まったガリレイドンナはビジュアル面で惹かれた一方、
こちらは1話目でストーリーの掴みの良さに心惹かれた作品。
「お話の中じゃない世界でできる正義とは?」というようなテーマ性を感じ、期待が高まる。
しかし7話「チェンジ・ザ・ワールド」以降から何かが狂い始め、わけのわからない展開に。
終わってから、面白くはないけど俺は好きだったよ みたいに言ってる人をわりとみかけたのだけど、
自分はその逆で、面白くも感じたけど嫌いになるばかりだった作品だった と言える。
作品のノリに"熱中する"か、"冷めてしまう"かを分けるのは感性によるところだと思うが、
中でも自分が"冷めてしまう"と感じるのは、
作品側から「これ本気でやってるわけじゃないですよ」と自覚的なのが伝わってしまうとき。
例えば中二病ネタ。あれは本人がマジでやってるので異質さと若気の至りが合わさって面白いのだが、
嘲笑ネタとして真似したやつが、面白いだろ?とばかりに見せつけてくると、この上なく冷める。
(京アニの中二病は、中二少女を描く面で本気なので、あれはあれであり)
ともかく、本心では別に思い入れがあるわけでもないのにこういうの好きだろ?とばかりに演じている、
そういうノリが透けて見えると、薄ら寒いものを感じるのだ。
このサムメンコも7話以降の至るところで、自覚的だったり皮肉的と思える表現が多々あった。
戦隊モノのあたりなんて、形だけは物語展開してるけど、心ここになし意味などないという感じ。
あーつまんない?そんなのわかってるよwwそれが狙いなんだよwwみたいな。
一方で、楽しく作ってそうだなぁと感じる部分もあり、制作陣の志しがまるで分からなくなる。
もう振り回せりゃそれでいいみたいなスタンス、投げやりな内容。このあたりは本当に嫌だった。
最初に打ち立てた「正義とは何か?」のようなテーマ性についてはもう心に届いてこない。
完全にフィクショナルな世界になった今では、どんなに良いことを言ったとしても陳腐にみえる。
正義がいかにシリアスに葛藤したとしても、敵がギャグである。(作品側が意図して)
ギャグで、うすら寒いメタ構造で、それなのに妙なリアリティを求める。
お話単体でみれば本当に陳腐でつまらないのに、わざわざそれを"意図"して自覚的にやっている、
そんな制作陣の志しがわからず、何がしたいのか気になって見続けてしまっていた。(結局わからんけど)
それから最終盤。ようやくといか、今更というべきか、現実方面に戻ってきた。
まだオカルト的な要素は絡めてくるのだが、それでもラストは無茶苦茶ではあるけど、
久々に真っ直ぐな正義くんがみれて面白かった。
だがこの作品「面白かった」と感じるのは一時の強烈さや、妙な引きの上手さのせいが多くて、
観てる間の大半は「つまらない」時間に割いていたわけで、正直いいように化かされた感じ。
フラメンコ(情熱的な踊り)?いやいや仮面を被った奇術師のショーの類じゃないですか?
……そんな、姑息な手段にまみれた内容。勧めはしないけど変なものに振り回されたい人はどうぞ。