退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
後半の戦闘シーンの格好良さはヨルムンガンド並み
気になってたから見たけどようやく観終わった!
前半1-12話までの視聴は結構長く感じてしんどかった。
それ以降は比較的面白かったです。(慣れるまでにやはり時間がかかりましたが)
前半限定で常に付き纏ったのは、非常に格好良いけどどこか気取った台詞回しのむず痒さ。
アメリカンジョークなノリで「ご褒美はママのお手製のチェリーパイを差し上げなくっちゃねぇ」といった言葉が平気でバンバン出てきます。
聞いてるこっちが恥ずかしくなる…この違和感は、主人公が自分の事を”ロック”と名乗る辺りから来たのかも。
またこのアニメは、一般社会に生きていた日本人が海外の裏社会の運び屋とか逃し屋とかそんな組織に組み込まれていく話なのですが、ただのリーマンが危険なシチュエーションの連続でこうも堂々と立ち振る舞えるものなのか?と思ってしまいます。
背景に会社に切り捨てられた、死を宣告された、という事情があっても、ロックはあまりにも浮き過ぎです。(注:あくまで前半の話!)
たまに出てきたら「あ、そういえばこの日本人が主人公だったんだ」と思ってしまうほど私の中では空気だった。
一方ヒロインのレヴィに対しても似たようにマイナスポイントが目立った。
まず声が合ってない。
悪党だったらもう少し酒焼けしたようなハスキーボイスの方がよかった気がするんだけど、残念な事にその声は弱々しい。
もともと高い声のボリュームだけ落として、無理して低くしたお粗末な演技が耳に付く。
こんな印象を持ってしまった所為か、私はこのアニメってレヴィやダッチ含めた主要メンバーよりバラライカとか張(チャン)の方がキャラが立って見えました。
前半はほんと、レヴィやダッチの強さの尺度も全然分からなかったから。
銃撃戦に至っては、真正面からとぼとぼ歩きながら銃撃ってるだけなのになぜか敵の弾は当たらないで、こちらが撃ってる弾だけが的確に命中するという雑な戦闘が多かったし。
こいつらは何が強いの?敵が弱すぎるの?と、そんなだから裏社会で生き抜いてきた強さの中で悟った真理やら信条をスラスラ口にする時も失笑に拍車がかかる。
(バラライカや張みたく)マフィアの頭とかその手の単純な背景設定もよく見えなかったから、主要メンバーがいくら強いと伝えられても、こちらとしてはその強さがわからずいまいちワクワクしなかった。
{netabare}
あとよく考えて作られたようだけど、それ故にツッコミを入れたくなる粗さというか浅さをいくつか感じた。
例えば、海底の潜水艦。あれ、沈む時空気が薄くなっていくって言って無かった??空気が無い状態で死体の腐敗が進むのかな?ああいうのって沈没船の蓋をあけて空気が入った瞬間から急激に死体が腐敗していくような…。というか、空気漏れるような状態だと浸水しないか?あと、あの潜水艦にどうやって浸水させずに侵入したんだろ…。
また、この回でレヴィがキレた心情も意味不明。
それとか話は変わるけど、浅さ?が顕著だったのは悪者のほぼ皆が、絵に書いたような愛煙家。
作者の中で悪者=煙草なんだろうか。一体何年前のマフィア映画だ?!
もしかしたらおかしく無いんだろうけど、リアリティ追求したような世界観だと変にこういうのが気になる。
{/netabare}
……と、ここまで批判しててなんだけど、冒頭に記載した通り、後半は違いました。
{netabare}(ラスト数話の日本で締めくくるラストはそれでもまだ違和感はありましたが){/netabare}面白くて一気に見てしまいました。
具体的には、13-15話でヘンゼルとグレーテルが出てきた辺りから盛り上がってきた。
詳しくは見てからのお楽しみになるのでしょうが、この章はラスト「あー、そう来たか」と不覚にも意表をつかれました。視聴後、若干放心状態になってしまったほどです。
また、戦闘シーンのインパクトもこの章が最も強かったです。
バラライカメインの軍隊仕込みの戦闘は、キビキビしていて上手く格の違いを演出していました。
まだ書きたい事はあるけど、見て無い人には蛇足だと思うのでこの辺で。
一言で言うと「初めつまらないと思っていた人も、1クール12話まで辛抱すればかなり楽しめるアニメ」です。
私は、台詞回しが前半薄ら寒いと書いていますが、引き込まれる人はすぐに引き込まれる事でしょう。
一級品といわれれば否定はしません。
その言葉のキャッチボールは他のライトなアニメでは類をみないほど上手に作られています。
お勧めかどうかってなると…まぁ個人的には微妙ですが、見ていて損は無いアニメかと思います。