三崎鳴 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
1期の方が面白い
西尾維新作小説「化物語」の続編である「偽物語」を原作としたアニメーション作品。前作では15話で5人分のストーリー、本作では11話で2人分のストーリーに尺を裂いている。1話~7話が「かれんビー」、8話~11話が「つきひフェニックス」となっており前半が正義、後半が家族という点に軸を置いているようだ,個人的には後半の話の方が好印象だった。前作、本作を含む作品群“物語シリーズ”ではキャラ同士の掛け合いが一番の魅力であり会話劇のセンスの妙が光る。その点においては本作も程よくパロディを挟みながら一定水準で楽しめるレベルである。しかしあざといシーンが多く、視聴者層に対する媚びが見受けられ、又、全体のテンポが悪い割には肝心のメインキャラ二人のエピソードは簡素な結末を迎える。演出も不必要で過剰な演出が目立つが視覚的な効果は悪くないためシャフトのやり方と割り切れれば欠点とは言い難い。話のテーマは「正義」やタイトル通り「偽物」をテーマとしているようだが展開のメリハリが薄い為強調されているとも思えない。敵役のキャラの台詞には考えさせられる部分もあり作者の主張が込められているようにも思えるのは一つの評価点であり化物語になかった要素ではある。前作の化物語がストーリーと会話劇の配分の取り方が巧くストーリーにもしっかり重点を置いていたのに対し、偽物語はキャラクター推しやあざとい描写が多い為前作よりも評価を落とさざるを得ない。又、前作はED曲である「君の知らない物語」やOP曲のうちの1曲である「恋愛サーキュレーション」等話題のになる程の目立つ曲がないことも相対的に本作の評価を落としているのではないか。